桃色わんこ

男の子 ページ2

貴方side

「んっ…あれ…？」




あの後、看病をしてたらいつの間にか眠ってたらしい。

男の子を見てみると呼吸も落ち着いていてもう熱もないようだった。




「よかった」




とりあえず今日は仕事も休みだし男の子が起きるまでそっとしとこ。

お腹すいたし自分の朝ごはん作るついでに男の子が起きた時用のお粥も作って…と朝の計画を立てる。




？「んっ…あれ、俺…」




ちょうどお粥を作り終わったタイミングで男の子が目を覚ました。




「起きましたか？
なんでかダンボールの中で意識をなくしてたんですよ」




私がそう言うと男の子はしばらくして「あ、そういえば…」と言った。

どうやら記憶はちゃんとしてるみたい。




？「看病してくれたの？ありがとう。
ここはあなたのお家ですか？」


「はい、私の家です。
あ、そうだお粥作ったんです食べませんか？」




そう言って男の子にお粥を出すと恐る恐るスプーンを持って「アツっ」と言いながらも完食してくれた。




？「ごちそうさまでした。
あの、めっちゃ美味しかったです。ありがとうございました」


「どういたしまして。あの、お名前は？」


桃「佐久間です。あなたは？」


「私は白雪Aです」


桃「あ、あの…」


「なんですか？」


桃「な、なんでAさんはこんなによくしてくれるんですか？」




なんで、か。
正直自分でもよく分かんないんだよね。

けど、今思うのは…




「なんか、消えちゃいそうでほっとけなくて…」




具体的にどうとは言えないけど一目見た時からいつ消えてもおかしくないような危うさをこの男の子から感じていたんだ。

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