縛って、解いて、結んで。【mmkj】 (ページ47)

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怒鳴り声ページ47

橙side

めめが帰ったあとふっかさんがまた部屋に入ってきた。

もうほっといてや、疲れてんねん。
これ以上なんも考えたないからはよ寝てまいたいねん。

紫「めめ、康二のこと凄く心配してた」

うるさい。

紫「ヒートが収まったって言ったら寝る時間だってまともに取れてないのに康二に会うために無理やり時間作ってきたんだよ」

うるさい、うるさいうるさい。

紫「めめ、帰る時泣いてたよ」

うるさい、うるさいうるさいうるさい。

そんなん言われんくたって傷つけてることなんて分かってんねん。

紫「せめて、話だけでも聞いてやってよ…」

橙「うるさいねん！！」

抑えきれん思いが怒鳴り声になって飛び出した。

こんなことしたい訳やないのに…。

めめのこともふっかさんのことも傷つけたくなんてないんよ。
ただ、龍太くんのことを想っていたいだけやのに。

橙「ごめん、なさいっ…」

紫「康二！！」

ふらつく身体をなんとか動かしてふっかさんの家を飛び出した。

ヒートが始まったタイミングで取りに行って貰った貴重品を咄嗟に持ってきたんがせめてもの救いやな…。

橙「もう、ええや…」

龍太くんを想って生きよう。

それだけでなんとか生きてきたけどそ龍太くんを想うことで周りの人たちを傷つけてもうてるなら離れるしかないやん。

周りに誰もおらんくなることよりも龍太くんを忘れることの方が俺にはずっと怖いから…。

気づけば俺は京都行きの新幹線に乗っていた。