縛って、解いて、結んで。【mmkj】

成れの果て ページ35

黒side

康二にヒートが来た。
本当は俺が慰めて収めてあげたい。

だけど今の俺じゃそんなことをする権利は無いからただ悶々としながら耐えることしかできない。


どうしたら康二の傍に居られる？
どうしたら、どうしたら...。


何も思いつかないまま頭を抱えてると佐久間くんから誕生日用の康二が居ないグループにメッセージが来た。




『康二の飲んでいる抑制剤はもう一番強い薬です。
普通は誰も飲まないような副作用も強いもので正直1錠だって飲んで欲しくない。
でも康二は自分で選んでこの薬を飲んでると言っていてそれ以上なにも言えなかった。
俺たちがただ飲むのを辞めろと言っても康二はきっと飲み続けると思う。
正直何ができるかも分からないけど副作用で体調が優れない時もこれから先出てくるかもしれないから共有しておきます』




一番強い抑制剤...知識として知ってる人は居るけど正直現物なんて医療従事者しか見たことがないような薬...。




黒「康二...」




康二にはもう、時間が無いかもしれない...。
薬が効かなくなるのが先か副作用で身体を壊すのが先か。

薬が効かなくなったとしても龍太さんのことを思い続ける康二がそういった行為でヒートを乗り切るようなことはしないだろう。

抑制剤の効かなくなったΩの成れの果ては悲惨だと聞いたことがある。


自分の運命の番をそんなことには絶対にしたくない。
俺が絶対に康二くんを守ってみせるんだ。

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