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ページ9

緑side

何かあったらいけないと思って徹夜で看病をしたら朝になる頃にはすっかり熱も下がってくれて一安心。




桃「くうん…」


緑「あ、起きた?」




目を覚ました佐久間を抱っこして顔を見るとぼけーっとした表情で俺の顔を見る佐久間。




緑「え、ちょ、嘘!?」




抱っこしてるのにいきなり人間の姿になるもんだから本当にびっくりした…。




桃「んふ、阿部ちゃ…」




どうやらまだ寝ぼけてるらしい。

…んだけど素っ裸で膝に向かい合うように乗られて抱きつかれるのは色々と限界が、ね?

抱っこしてる体勢で人間になられたもんだから自動的にこの体勢になっちゃった。




緑「佐久間、ちょっとどいて?」


桃「んぅ、やあ!!」




寝起きだからなのか病み上がりだからなのか凄く甘えん坊な佐久間。

いつもなら可愛いし存分に甘やかすんだけどほら、理性がね?

爽やかキャラでやってるのに朝から襲っちゃったらイメージ崩れちゃうでしょ?




緑「佐久間、メンバーに犬の姿バレちゃった」




遅かれ早かれ言わなきゃいけないしこんな寝起きだけどもしかしたらこれで目が覚めてくれるかなって爆弾を投下してみちゃった。

すると佐久間は抱きついてる腕を離して俺の顔を見ながら2回ほど瞬きをしてから「う、嘘…」と呟いた。




緑「ごめん、ほんと…」




俺がそう言うと佐久間は途端に真顔になる。

佐久間は頭で色々考え事をしている時真顔になっちゃうからきっと今も色々考えてるんだと思う。




緑「みんなの反応とか、怖い?」




そんな佐久間をそっと抱きしめてそう聞くと佐久間は小さく頷いた。




緑「大丈夫、みんな冷たい態度をとったりしないでちゃんと受け止めてくれるよ。
それは佐久間だって分かってるでしょ?」




苦楽を一緒に乗り越えて過ごしてきた時間が何よりの証拠だよ。




緑「それにね、俺が居るでしょ?」




俺は、俺だけは世界中が敵になったとしても佐久間の味方で居ようって本気でそう思ってるから。

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作者名:湖蝶 | 作成日時:2021年11月15日 3時

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