甘えたいキミと甘やかしたい俺の話【mmkj】

依存 ページ9

橙side

一度抑えられんくなったらもう自分ではどうにも出来んくて繰り返すようになった。

止血をしてガーゼだけ貼ってあとは長袖の服を着て隠す。
消毒とか薬とかそんなんはせえへん。




橙「っ…」


黒「康二、どうかした？」


橙「な、なんでもないで！！」




事務所での打ち合わせの休憩中、腕が椅子にあたって痛みで声が出てもうた。
気づかれたかなってドキドキして脈が早くなる。

お願い気づいて。
辞めて気づかんといて。

同時に湧き上がる矛盾したふたつの気持ち。




橙「うぅっ…っ…」




泣くのも我慢出来んくなってバレへんように人気のないところでこっそりと泣いて、その度にガーゼの上から傷を握りしめて痛みで気をそらして…。




橙「めめ、めぇめっ…」


？「今度は目黒に依存するんか」




ふと声が聞こえて顔を上げるとそこには淳太くんの姿があった。




中「流星から柊真、龍太で今度は目黒なん？」




淳太くんは昔から俺のこの依存体質が好きじゃなくて何度も怒られてきた。




中「デビューしてちゃんと自立した大人になった思てたのにまだ誰かに依存せなおられへんのか」




淳太くんの言葉は正しい。
正しいからこそ心が抉られていく。




中「依存せんでも一人で立てるように強くなれって昔からずっと言うてるやろ」




淳太くんが俺の事を思って言うてくれてることは分かってる。

照史くんからも「淳太くんはあれでも康二のこと思って言うてるからごめんやけどそれだけは分かったってな？」って何回も言われた。


やけどしゃあないやん、どんなに頑張ったって無理やねんもん。

俺やって好きで誰かに依存したいわけやない。
依存せんでもいれるようにって頑張ってきたよ。




橙「なんも知らんくせに…」


中「あ？なんや言いたいことあるんなら言うてみい」


橙「何も知らんくせに偉そうなこと言うなや！！
淳太なんか、淳太なんか大っ嫌いやアホっ！！」




俺はそう怒鳴りつけて淳太くんから走って逃げだ。

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