♚ ページ5
#side_ar
「あ、あの！」
そして、
あれから一時間も経たずして、
俺は警察署に足を置いた。
…息を切らす俺に反し、嫌に深刻そうな警察官。
__有岡さんでしょうか。
「はい、有岡大貴です。」
__お父様の件で事情聴取にご協力頂きたく。
「はい、大丈夫です。…あの、それ前に…父が、何をしたって言うんですかッ__。」
__育児放棄です。
育児放棄。
その言葉に俺の頭は重い陶器で殴られたかな様に、
がんがんと激しく痛む。
まさか、
「…え、りょ、涼介ですか…！？」
__申し訳ございませんが、被害者の方の情報漏洩は、まだ確定がついていない為できかねます。
「ッ…そ、んな…」
『…失礼致します。』
__あ、どうなさいました？
『被害者の方の身元が判明致しました。』
「だ、だれっ…」
『山田涼介くん、十五歳です。』
目の前が真っ暗になった。
心臓の激しい鼓動が、
嫌と言う程に大きく聞こえる。
__どくんどくん。
心臓が波打つ度に、
身体全身の血が心臓に戻ってくる。
…血の気が引いていくのを感じた。
「待って…じゃあ、事情聴取なんてしてられない…涼介のところに、行かなきゃッ__！」
__分かりました。事情聴取はその後にお願い致します。こちら、彼の搬送先です。
「あ、ありがとうございますッ__！」
そして、
俺は警察官から受け取った住所を、
ぐちゃぐちゃになるまで握りしめて。
雪に打たれる寒さも忘れて。
がむしゃらに走り、
病院に着いた。
大貴「あの、涼介の病室は…有岡涼介に合わせて下さい！」
__有岡涼介さんですか？
「はい！さっき搬送されてきた、」
__山田涼介さんの事でしょうか？
「…へ？」
__十五歳の、山田涼介さんではないですか？
「え、あぁ…そうです。」
__お悔やみ申し上げます。…ではご案内致します。
「…えっ、涼介…し、んだのか…？」
__あ…えぇ…先程、涼介くんは亡くなられました。
「えっ…」
残酷すぎる言葉だった。
血管がはち切れたかの様に、
身体全身から痛みと痺れが湧き上がる。
…涼介が、涼介が？
死んだのか__いや、俺の父が死なせなせたんだ。
__今は霊安室にいらっしゃいます。どうぞこちらへ。
そう言って、
ぱたぱたと靴を鳴らし、
小走りする看護師の後に俺は続く。
俺は__空っぽだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗皐(プロフ) - ==飛鳥==さん» お優しいお言葉を誠に有難うございます❤︎いやぁ…やっと肩の荷も降り、またJUMPさんの応援の方にも本腰を入れられそうです！笑)無論作者活動も精一杯頑張らせて頂きます❤︎これからも作者・作品共々、どうぞ宜しくお願い致します…！ (2023年3月2日 0時) (
レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
==飛鳥== - 受験お疲れ様でした！また私立合格おめでとうございます！これからも楽しみです！！！ (2023年2月23日 18時) (レス) id: 9eeffb27a6 (このIDを非表示/違反報告)
麗皐(プロフ) - Jejfhwさん» Jehfhwさんの大変有難いお言葉を受けまして、本日限りですが、占ツクでの公開の準備をして参りました為、お楽しみ頂けますと嬉しいです❤︎ゆっくりな更新ですが、誠心誠意努めて参ります為、これからもどうぞ宜しくお願い致します…！ (2023年1月18日 18時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
麗皐(プロフ) - Jejfhwさん» そうなんです…泣)公式さんの方から一向にご連絡がない為、すっぱりやめる事に致しました…。Jehfhwさんもお辛い中、労りのお言葉を有難うございます❤︎そして何より、リア友さんに読者様がお二人もいらっしゃるのが、衝撃の反面嬉しいです…！ (2023年1月18日 18時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
Jejfhw(プロフ) - また、風の便り、本当に本当に最高でした！最高なことにリア友にれいささんガチ勢が2人いて、トークがその話に持ちきりになりました！😍Twitterのお話なども占ツクに投げて頂けたら、最高に嬉しいです！ご検討いただければ幸いです🙇♀️ (2023年1月15日 16時) (レス) id: 0f7249d99f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：麗皐 | 作成日時：2020年10月7日 22時
