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#side_in
「…侑李、ありがと。」
俺はそう侑李に声を掛け、
床に顔を伏せて泣く彼を抱き寄せる。
…ぱぱ、と抱き付いてきた。
「…皆様、供養中に申し訳ございませんでした。」
俺は、
そんな彼を横に抱え、
参列者の人々に頭を下げる。
今は__涼介の供養中。
侑李が取った行動は、
実際慎むべきものだっただろう。
だが、
同時に侑李の姿を__同時に誇らしく思った。
そして、
横で肩を揺らしてなく侑李を何とか座らせると、
ぽん。
左右から二つと手が俺の手に重なった。
一つは小さな愛らしい手で、
もう一つは大きく温もりに満ちた手。
こんなにも温かい人に囲まれて__。
ふと、
昔の事を思い出した。
『俺ね、今慧ちゃんと、侑李といられてすっごく幸せ。俺生まれ変わったら、』
__二人と本当の家族になりたいな。
ぶあっと。
突然瞳が熱くなり歪んだ視界。
どうして俺は忘れていたのだろうか__。
あんなにも、
こんなにも大切にしていた時間なのに。
「っ、う…りょう、すけッ…」
__わああぁぁああぁぁッ!!
*
あれから。
今までの負担及びこれからの維持費など諸々の出費。
涼介の親族の方からも、
負担すると名乗り出てくれた為、
やっと安定してきた家計。
現在侑李も大学一年生となり、
ずっと侑李が追いつきたかっていた涼介と、
同い年になった。
「…涼介、僕18歳になったよ。涼介と、同い年。大きくなったかな。」
「…身長だけは変わらないって。」
「雄也うるさい。自分が身長おっきいからって。」
「ははは笑、」
「パパも否定してよ。」
「うーん、侑李が小さいのは事実だしなぁ。」
「ふん、良いもん。涼介とお揃いだもん。」
「侑李の方がちっちゃいから、涼介が心外だってさ。」
「あぁ、パパ酷い…!」
涼介__。
貴方は__今笑っていますか。
もしかしたら、
貴方の記憶の中に俺達はいないかもしれない。
でも、
涼介は今も俺達の記憶の中で生きている。
これからもこの先も永遠に。
「パパは、涼介のパパになれて、本当に幸せだよ。」
次また会える時はどうか笑顔で__。
Desirousness__END
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麗皐(プロフ) - ==飛鳥==さん» お優しいお言葉を誠に有難うございます❤︎いやぁ…やっと肩の荷も降り、またJUMPさんの応援の方にも本腰を入れられそうです!笑)無論作者活動も精一杯頑張らせて頂きます❤︎これからも作者・作品共々、どうぞ宜しくお願い致します…! (2023年3月2日 0時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
==飛鳥== - 受験お疲れ様でした!また私立合格おめでとうございます!これからも楽しみです!!! (2023年2月23日 18時) (レス) id: 9eeffb27a6 (このIDを非表示/違反報告)
麗皐(プロフ) - Jejfhwさん» Jehfhwさんの大変有難いお言葉を受けまして、本日限りですが、占ツクでの公開の準備をして参りました為、お楽しみ頂けますと嬉しいです❤︎ゆっくりな更新ですが、誠心誠意努めて参ります為、これからもどうぞ宜しくお願い致します…! (2023年1月18日 18時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
麗皐(プロフ) - Jejfhwさん» そうなんです…泣)公式さんの方から一向にご連絡がない為、すっぱりやめる事に致しました…。Jehfhwさんもお辛い中、労りのお言葉を有難うございます❤︎そして何より、リア友さんに読者様がお二人もいらっしゃるのが、衝撃の反面嬉しいです…! (2023年1月18日 18時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)
Jejfhw(プロフ) - また、風の便り、本当に本当に最高でした!最高なことにリア友にれいささんガチ勢が2人いて、トークがその話に持ちきりになりました!😍Twitterのお話なども占ツクに投げて頂けたら、最高に嬉しいです!ご検討いただければ幸いです🙇♀️ (2023年1月15日 16時) (レス) id: 0f7249d99f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麗皐 | 作成日時:2020年10月7日 22時