雨露霜雪 (ページ6)

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大「なぁヤス…もうちょっと休んでから行かへん？」

弱音を吐く俺に対して、元気に階段駆け下りていくヤス。

対象的な俺らは横に並ぶことなく一般棟から抜け出している。

安「だってエレベーター混んでるもん。あんなん乗ってたら一生亮の寮にたどり着かんて」

大「りょーのりょーってややこしいな。」

カレー食べすぎて全部で出来そう。

ヤスの背中追ってるだけで精一杯。

追いつこうなんて考えは遠の昔に捨てました。

大「あかん！ヤスやっぱりゆっくり行こう！」

安「えっ、なんて？」

遠くまで走り抜けていったヤスにはもう声も届かない。

一般寮からお金持ちさん達の寮は見えない死角のところにある。

一般棟、中間棟、富民寮
. 富民棟
一般寮、職員室、事務所

という並びのこの学園。

今いる一般寮から富民寮に行くには斜め横断が1番近道だ。

でも、

安「先生に見つからんように行きたい」

というヤスの為に遠回りして事務所の裏までつっきってきた。

そんな俺ももう限界。

追いつく為に全速力出して体力消耗したくないし、

ってまだトロトロ走ってたらヤスが近くまで来てくれた。

安「大丈夫？まだ行ける？」

大「おん、大丈夫……ただ、もうちょっとゆっくり…………い、こ……」

顔を上げたら、ヤスの後ろにホテルみたいな構えの建物が目に入った。

大「うわ……やば……」

富民と一般の差が激しすぎる。

…