雨露霜雪 (ページ13)

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横「へぇ、じゃああの噂の学年一位の大倉くんなんや」

大「ほかの学年にまで噂回ってるんすね…」

横「ていうことは、ルームメイトさんは錦戸さんちの安田くんやね？」

大「よぉしってはりますね」

怖いくらいに。

横「情報はほとんど入ってくるからね。」

世間話なんてもんじゃないけど、そんな会話をしてると、

村「キミ。」

黒の薄いコートに身を包んだ村上さんがやってきた。

横「あ、ヒナや～やっと来よったわ」

さっきまでの表情から優しさが染み出した顔をしてる横山センパイ。

そして、昨日の優しい顔はどこへやら村上センパイ。

村「お前、昨日の…」

大「あ、大倉です。昨日はありがとうございました。」

村「おおくら、おまえこいつに手ぇだしたらただじゃ置かないから。」

大「えっ」

横「ちょっ！ヒナちゃんそういうことちゃうねんって。俺が呼び止めただけやねん」

村「ほぉか？」

横「おん、お前来んのが遅いから悪いねん」

村「あと3週間このままか…嫌な制度やな」

やっとクラス一緒になったのに。

センパイ2人は異様なほど距離が近い、

し、さっきまで怖い顔してた村上センパイも今は穏やかな表情。

横「じゃあ、ありがとうな？おおくらクン」

村「また相手したってな」

広い道を程よい距離で歩いていく。

その背中を目で追う。

大「仲、ええんやなぁ」

こん時はそんな程度やった。

…