十二頁目 ページ13
一体何があったのだろうか？只事では無さそうだと思い急いで本を棚に戻してから、書斎から飛び出す。
聞こえた方面からして食堂だろう、急いで廊下を走る。
少し進んだ先の曲がり角を曲がった瞬間、向こう側から来た人物と衝突してしまった。
「すいません！……あれ、ウィラさん！？」
ぶつかった人物は先程大声で叫んでいたウィラさんだった。
ぶつかった衝撃で彼女は床に尻餅をつき、いつも持ち歩いている香水が音を立てて床に転がった。
「大丈夫ですか？ウィラさんさっきは何があった」
「私は死んでないわよね！？」
彼女は言葉を遮り、憔悴しきった顔で私にしがみ付く。
「ウィラさんは生きていますよ、ここで生きてるじゃないですか！」
彼女はその言葉を聞いてその場にへたり込み、頭を抱えて「クロエ？」「姉さん」「私は？」「殺し……？」等とよく分からない単語を発している。
どうしたものか、半発狂状態の人間に対する適切な接し方を私は知らないのでただその場でウィラさんを見る事しかできない。
「香水……香水はどこ？」
「香水なら貴方の横に……」
彼女は香水を掴むとバルブ部分を押しすぐさま自身に吹きかけた。
思ったよりも多くの量を吹きかけたのかこちらまで香水の香りがくる。
薔薇に、ゼラニウム……カリン？の香りが感じ取れた。他にも入っているようだが混じって分らない。
しかし、その香りを嗅いでいると頭がだんだんとぼんやりとしてくる。
何も考えられなくなりそうだ、
と思った瞬間にふっと夢から覚めたかのように頭が冴える。
今の感覚は一体……？
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野菜 - 感想ありがとうございます！こんな褒められると思ってなかったので嬉しい限りです。引き続き頑張りますので是非たのしみにお待ちください！ (2019年6月27日 16時) (
レス) id: d6aefcc85a (このIDを非表示/違反報告)
saniwanotori(プロフ) - 背景推理からとても丁寧に物語を構成されていて読み応えがありました。不穏な描写の表現も天才的でドキドキしながら読ませて頂きました。こんなに面白くてとても素敵な作品に出会えて幸せです！切実に消さないで欲しいと思いつつ、続きを楽しみにしております (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9faba28f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野菜 | 作成日時：2019年6月22日 13時
