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その荘園に私が着いた頃には日はすっかり暮れていた。周りには背の高い木々が生い茂り私に影を落とす。
奥地へ進むと館が私が思っていたよりもずっと綺麗な館が見えてくる。
庭も手入れが行き届いていて清楚感が感じられた。なかなかに悪くない。
私も金銭に余裕があればこんな所にでも住めたのだろうか。
そんな事を考え石畳を辿れば私よりも数倍大きな扉が私の前に現れる。それを叩き、ゆっくり開ければギィと軋んだ音を起てた。
扉を開ければ天井の高い2階建のホールが顔を出す。内装も綺麗で貴族の屋敷へ入り込んでしまった気分にさえなる。
「……すいません、誰かいませんか？」
声を発して暫くすると何処からか足音が聞こえ、段々と近づいてくる。そしてガチャリと扉が開く。開いた扉の向こうからはヘッドドレスを付けた女性が顔を出した。それと同時に花の香りが鼻を掠める。
「あら、貴女もこのゲームの参加者かしら？」
随分と品のある方だ、このゲームってもしかしてこんな貴族じみた人ばかりなのだろうか…。それなら私は完全に浮いてしまう、というか居心地が悪い。
「は、はい。手紙を見てここに来ました」
やはり彼女もこのゲームの参加者らしい。
「じゃあこれで４人全員が集まったのね。そうね、部屋を案内する前に私の自己紹介をしましょうか。」
4人全員集まった。つまりこのゲームは４人で行われるゲームのようだ。
「私はウィラ。ウィラ・ナイエルよ。調香師なの」
「私はAです。農家をやっています。私ウィラさんの名前お聞きした事があるかも。」
ウィラ・ナイエル、名前を何処かで聞いた事がある。思い出せないがきっとこんな労働階級の私でも耳にしているのだしきっと界隈では有名な人なのであろう。
「当たり前よ。ウィラ・ナイエルは名の知れた人物なのだから！」
と自慢気に話した。
「じゃあAさん、まず右手側の部屋から案内するわ」
そうして様々な部屋を案内され、その道中にゲームのルールも説明された。
私達はサバイバーと呼ばれハンターと呼ばれる側から逃げ切るのが勝利条件。
ゲームの開始は4日後。それまでは割り当てられた部屋を使い生活すること。
最後に日記を必ず付けること。書かないとなんらかのペナルティを受けるらしい。
後は何故か食事は一定の時間に配給されているだとか、開かない扉があるとか。
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野菜 - 感想ありがとうございます！こんな褒められると思ってなかったので嬉しい限りです。引き続き頑張りますので是非たのしみにお待ちください！ (2019年6月27日 16時) (
レス) id: d6aefcc85a (このIDを非表示/違反報告)
saniwanotori(プロフ) - 背景推理からとても丁寧に物語を構成されていて読み応えがありました。不穏な描写の表現も天才的でドキドキしながら読ませて頂きました。こんなに面白くてとても素敵な作品に出会えて幸せです！切実に消さないで欲しいと思いつつ、続きを楽しみにしております (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9faba28f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野菜 | 作成日時：2019年6月22日 13時
