｢好き｣のカタチ。【ハイキュー影山飛雄】 (ページ8)

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伍章 -｢排球｣のカタチ｡- ページ8

▹▸A side.
凄い。
とにかく、Aの彼らに対する第一印象はこうだった。
Aは見学で男子バレー部に来ているが、部員たちは凄かった。
もう何年もバレーをやっていないAは、辞めてから全くと言っていいほどボールに触れていない。
その時からずっとバスケだ。
すると、Aの方へボールが飛んでくる。
素早くキャッチすると、影山が駆けてきた。
「怪我してねぇか？」
「してないよ～。てか言ったでしょ、バレーやってたって。」
「そうだったな。」
キャッチしたボールを影山に渡すと、影山はそのボールを持って練習に行った。

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部活終了時間になったらしい。
男子バレー部は軽くミーティングをして解散となった。
(影山、バレー楽しそうだったな…)
そんなふうに思いながら校門まで歩いていると、後ろから影山が駆けてきた。
「俺が連れてきたようなもんだし、送るぞ。」
「いいよ、ここから近いし。」
「いや、暗いから送る。」
こいつ多分、頑固だ。Aは「はいはい、」と言うように流しておいた。
「お前の家どの地区なんだ?」
「それ今日来たやつに言うか??」
「…そうだった。」
いや忘れんなよ、と言いそうになったが、留める。
「一応烏野高校の近くだよ」
とは言っておいた。
すると話は飛んで、影山は脚を止めて
「明日はどこの部活に行くんだ？バスケ？」
と聞いてきた。
「そうだね、バスケ。」
Aはそう返すと、影山の方を見る。
影山は、少し悲しそうな表情をしていた。

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「ただいま～」
「おかえりなさい、Aちゃん。」
夕飯はもう出来ていて、直ぐに食べられるようになっていた。
私服を出すのも面倒だったので、Aは制服のまま夕飯を食べることにした。
カバンから部活勧誘のチラシを出して眺めると、直ぐに女子バスケ部のチラシを見る。
明日の練習は…ある。
スマホを取り出してカレンダー機能に書き込む。
「Aちゃん、お行儀悪いわよ…」
叔母は呆れたように言ったが、Aは構わず
「部活早めに決めたいからさ」
とだけ言ってまたスマホを弄り始めた。
するといつの間に、夕飯のカツカレーは無くなっていた。食べ終わったのだった。