壱章 -「 出会い 」 のカタチ。- ページ4
▹▸A side.
「ふぅ、あちぃ〜…」
今日から宮城県立烏野高校に転校するAは、通学路を、叔母と共に歩いていた。
季節は初夏。朝なのに気温が高く、入道雲が積もっている。
東京よりは涼しいかと思ったが、変わらない。寧ろその思考のせいでさらに暑く感じる。
ワイシャツの襟口を開け、パタパタと空気を送るAに、叔母は笑った。
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烏野高校の校舎が見えた。
「Aちゃん、ここよ。今年は男子バレー部が強くなってきてるらしいの。」
叔母はそう言うが、Aは興味無さそうに
「ふぅん。」
と反応した。
バレーボール経験者であるにも関わらず、こんな反応でいいのだろうか、と自分自身で思う。
「ま、楽しみな事には変わりないからさ。行ってきま〜す」
叔母にそう伝えると、軽い足取りで校舎に入っていった。
▹▸影山 side.
「…」
教室には、昨日まで無かった机が置いてある。
影山はあまり気にせず、ふと窓から空を見上げた。入道雲が聳え立っている。
そういえば、もう少しでインターハイの予選か。思い出したように「あ、」と呟く。ふと校舎への道へ目をやると、見知らぬ少女が走って校舎の方へ来る。
周りの人は気付いていない。
影山も気にせず、机にうつ伏せになり、
寝た。
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「ホームルームを始めるんだが、その前に転校生だ-。」
1年3組に、担任の声が響く。
影山は未だにうつ伏せだ。
ザワザワとしていた生徒たちが、席に着いた生徒がさらにザワザワとすると、「お前らうるさい」とまた担任の声が響いた。
すると、先程影山が見た少女が爽やかな表情で教室内に入って来た。
黒板に名前を書く。
“石上A”。
「石上Aです、よろしくお願いします」
影山は、Aのその声で顔を上げた。
こんな顔だったんだ、此奴。
影山の、彼女への第一印象はこうだ。
そしてAが席に着くのを、目で追った。
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数珠丸恒次 - もうちょっと文字と、文字の、間をあけると、分かりやすいと思います。嫌味に聞こえたら、すみませんΣ(゚д゚lll (2020年10月31日 10時) (レス) id: 57a8ad7f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昴 。 | 作成日時:2020年10月20日 18時