最終章-2 ページ27
影山side
「俺は、告白した方がいいと思う。お前の言葉を、石上さんは待ってるよ、きっと。」
水野がそう言ってくれて、俺はやっと自分の気持ちを伝える覚悟が出来た。
『水野、ありがとう。俺、少し頑張ってみる』
頑張るよ、告白_。
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放課後、部活の練習をしていた石上を休憩中に呼び出した。
ちなみに俺は、事情を知る主将たちに話してから出てきている。
『石上』
「はーい、」
「何!A!!!!彼氏!?先駆けずるい!!」
「まだ違うわ!!!!」
「まだって何!!!!予定!?予定ですか!?!?」
同じ部活の同学年であろう人に、めちゃくちゃ弄り倒されていた石上は、こっちに早く来てくれた。
「ほんともう、女子って怖いわ」
『お前も女子だろうが』
「あっははー、忘れてた。で、どったの?」
体育館の扉を力強く閉めて、俺の方に振り向いた石上は、綺麗だった。
今まで頑張っていたであろう練習の汗、笑顔_。
全部が綺麗だった。
ちなみに水野は、影で見守っている。
後でミルクティーを奢らないといけない。
『…あの、』
「はい、」
『…えっと、』
「ちゃんと聞いてるから!!」
“ちゃんと聞いてるから”。
そう言われて、色々と吹っ切れた気がした。
『好きです、だから、付き合ってください』
頬が熱い、きっと顔は赤い。
俺は勢いで頭を下げた。
「…顔を上げてください」
『…?』
石上は、優しい声でそう言った。
「凄く、嬉しかったです」
『…』
「前の私なら、“あんたには他に、もっといい人がいる”って言っていたと思います」
『…』
「確かに今もそうなの、私よりももっといい人がいるはず。」
『…。』
もしかして、振られるんじゃないか。
心臓の高鳴りが、不安を誘き寄せた。
「_でも!!それでも!!!」
『…!』
石上の目に、透き通った涙が浮かぶ。
「今は、他の誰にも渡したくないって思ってます!!!」
『…え』
「図々しいかもしれないけど、私も好きです、影山…ううん、飛雄のこと!!!!」
泣き笑いをする石上の、頬を伝う涙を拭ってあげる。
すると、石上は、俺を抱き締めてきた。
「だから、こちらこそ、付き合ってくださいぃ…!!!!」
泣きじゃくりながら言ったその言葉が、俺の体内に響いた。
『…お願いします、石_A…!』
泣きじゃくりながらも俺を抱きしめるAを、抱きしめる。
気持ちを伝えて、良かった。
俺たちは、両思いだった。
_「好き」のカタチは、美しかった。
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数珠丸恒次 - もうちょっと文字と、文字の、間をあけると、分かりやすいと思います。嫌味に聞こえたら、すみませんΣ(゚д゚lll (2020年10月31日 10時) (レス) id: 57a8ad7f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昴 。 | 作成日時:2020年10月20日 18時