｢好き｣のカタチ。【ハイキュー影山飛雄】 (ページ23)

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拾漆章 -｢片思い｣のカタチ｡- ページ23

▹▸影山 side.
あれから、調子が狂っている。
寝ようと思っても寝れないし(授業中)、サーブを打とうとしても10本中7本はネットに当たるし。
体調が悪いとかそういうんじゃない。
多分、石上のあの(・・)笑顔にやられたのだろう。
あの笑顔が、頭から離れない。

それは昼休みの事だった。
仲直り(?)の記念に2人で昼飯食おうーってなって、話しながら俺は牛乳パン、石上は弁当を食べていた。
すると、すぐ近くで仲良し女子4人組〜みたいな人達が、「転校してきた子と影山って、すごく仲良さそうだよね、付き合ってんのかな」とコソコソと話しているのに気がついた。
俺は丁度飲み物を飲んでいたから、それでむせてしまった。
その時に、石上は柔らかい笑顔で、優しい声で言ったんだ。

『私たちって付き合ってるように見えるんだね』

と。

その時の笑顔が離れない。
なんとも言えない、今までに見た事のない満面の笑み。
心からの笑顔だと思う。
綺麗だった、可愛かった。
でもきっとあれは、面白可笑しいから、という笑いだったんだろう。
嬉しい、とかそういうような笑顔ではない気がする。
でも本当に面白可笑しい、という理由なら寂しい。
そう考えていてボケっとしていると、日向が肘で小突いてきた。

「おまえ、大丈夫?魂がどっか飛んでるよ?」

魂がどっか飛んでるって。
それに月島が口を挟む。

「慣れない考え事でもしてるんでしょ、馬鹿だから。」

煩い。
唯一、1年内でサーブ練習を真面目に取り組む山口だけが何も言わなかった。
先輩＿菅原さんも、

「影山〜、どうした〜?」

とニヤニヤ聞いてくるし、田中さんもちょっかいかけてくるし。
サーブ練終わった後に西谷さんからも

「お前どうした!!!」

と元気に聞かれた。
いやまぁ、後で纏めて主将に怒られたけど。
俺ってあれから、本当に頭がおかしくなってんのか??

▹▸A side.
昼休みから、影山は落ち着いていなかった。
時々物を落とすし、移動教室の時も色々ぶちまけてたし、本当に頭どうしたってくらい。
やっぱ、昼休みのあの4人組さんたちの話のせいかなぁ。
そんなこんな考えていると、休憩中の時に神楽先輩が話しかけてくれた。

「どうした?恋の悩み??」

〝恋〟という単語に反応した桜と槙乃、加奈もやってくる。

「A!誰かに恋してるの!?」
『え、えぇ…?』

話そうと思っても話しにくいや。
1人は先輩、3人は同学年だもん。
女子って怖い。
恋って凄い。
私は4人に、無言を貫いた。