｢好き｣のカタチ。【ハイキュー影山飛雄】 (ページ22)

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拾陸章ｰ｢無視｣のカタチ｡ｰページ22

▹▸影山 side.
月曜日。
朝、石上に話しかけてから、無視され続けている。
聞こえなかったのだろうか。
もしくは、一昨日のことで怒っているのだろうか。
何としても、無視は…。
俺は、石上のことが好きなのだから。

昨日、家に帰ると姉貴が居て、少し聞いてみたんだ。

「なぁ、女子と一緒にいて楽しくなったり、離れる時に寂しくなったり、女子が他の男子と話してるのが＿」
「飛雄にも春が来たの!?」

姉貴は少し目を輝かせていた。
春はもう過ぎてるってのに、俺に春が来たと言う。

「それはきっと恋だね、好きってこと。あ、likeじゃなくてloveね」
「コイ…?? スキ…??」

俺が鯉を想像していると(好き、は分かった)、姉貴が紙とペンを取り出して漢字を書いた。
そこには“恋”と“好き”が書かれている。

「左のが“恋”で、右のが“好き”。恋愛って言葉は分かるでしょ?」
「あぁ。」
「ふふ、飛雄に好きな人出来たんだぁ〜、どんなコなの?」

その後、姉には食い気味で石上のことを聞かれたけど。

俺の石上へのこの気持ちは、恋と言うらしい。
少女漫画とかなんかで、よくあるヤツ????
まぁ、そんなこんなだから、嫌われてしまっては行けないのだ。
きっと、片思いだろう。
だから、一応謝ることにした。

「あの、石上…さん」
『な、なんでしょう、影山くん…』
「一昨日は、なんか、悪かった」
『はい?』

謝ると、石上は何で謝ってるの、と言いたげな表情だった。
どうしてって、石上を怒らせたから…?

『私、怒ってるって思ってた?』
「え…」
『全く怒ってないから!!』

怒ってなかったんだ。
俺は凄く安心した。
ならきっと、嫌われてもない。

『無視して、ごめんね』

石上はそう言って笑った。
その時の申し訳なさそうな笑顔は、クールで、爽やかだった。
俺は、そこにさらに惹かれたよ。

▹▸A side.
あーあ、やらかしてしまった。
私は朝から、影山を無視してしまった。
話しかけられてから、頬の熱が昇ったような気がして、顔を向けてあげることが出来なかった。
こういうことになると、つくづく思う。
私は、影山飛雄のことが好きなんだなぁ。
すると、影山は私の方に来て、謝って来た。

「一昨日は、なんか、悪かった」

なんで謝るの、怒ってなんかないのに。
まあその後、誤解を解いたら安心していた。

私は、彼のこんな表情豊かな部分に、惹ふ。
ううん、なんでもいい。
好きなんだ。
影山飛雄のことが、好きなんだ。