｢好き｣のカタチ。【ハイキュー影山飛雄】 (ページ15)

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拾章 -｢カレカノ｣のカタチ｡- ページ15

▹▸影山 side.
「おふたりって、〝カレカノ〟なんですか!?」
かれ、かの????
「なあ石上、かれかのってなんだ?」
かれかの、の意味がわからず石上に聞いたのに、冷たく『は、?』と言い放ってきた。
言葉は冷たい癖に、石上の頬は赤い。
少年も「え?」というような顔付きだ。
でも俺、かれかのなんて知らねぇもん。
石上の表情から、バスケ用語では無いのはわかったしバレー用語でもない。
「だから、石上、かれかのって、なんだ?」
俺って、まずいことを聞いているのだろうか。
石上は顔を真っ赤にしながら、
『んなっ…答えられるわけ…!!!!てか、ばっ、ばーか!!!』
とテンパっているように答えた。
時々、声が裏返っている。
「うるせぇボケェ、バカじゃねぇ。」
バカ、と言われて、俺は少し傷付いたのだろう。いつものテンションよりも随分と低いテンションで言っていた。
(傷付く必要なんてねぇ筈なのに。)
自分の気持ちに対して、ハテナが沢山浮かぶ。
そういえば、どうして俺は石上(コイツ)の弁当を貰った時に鼓動が早くなったんだ??
どうして石上(コイツ)がバレー部の見学に来た次の日、バスケ部の見学に行くって言った時に寂しくなったんだ??
どうして俺は、この放課後が楽しみだったんだ??
どうして石上(コイツ)に「オーバーが上手い」って言われた時に嬉しくなったんだ??
〝そういえば〟が沢山あって、分からない。
石上と一緒に居れて楽しいから故なのは何となくわかる。でも、他の気持ちがあるような気がするんだ＿
すると少年は、
「〝カレカノ〟は、カップルのことですよ!! おふたりすごく仲良さそうだったので、てっきりカップルなのだと思ってました!」
と笑って言った。
カップルの意味ならさすがに分かる。
俺はへぇ、と頷いた。
そうか、俺と石上は、カップルに見えていたのか。
どこか嬉しかった、なんて石上に言えるわけねぇだろ。