【銀魂】私のたいせつな人【斉藤終】

穏やかな光景、穏やかな人 ページ3

【桜井Aside】




＊



(＿＿＿………朝？)


部屋に差し込むお日様の光と暖かさで目が覚める。



『……い、たた』


体を起こしてみると、いろんなところが痛んだ。……昨日は粛清だったんだと思い出す。



(……あれ、)


縁側に出てみると、外はやけに明るいうえ、暖かい。…ふと時計に目をやれば、そこには"12時25分"なんて示されており。


(………こんな時間まで寝てしまうなんて。)



休みの日とはいえ、いささか寝すぎてしまった。……非番で良かったものだ。



私はとりあえず袴に着替え、縁側に一人座る。……どうにも、お昼だがおなかは空いていないらしい。せっかくの非番ということで、ぼんやり過ごすことにする。



外の景色に目をやれば、鳥たちが戯れていたり風がそよそよとふいていたりといかにも穏やかな光景が広がっている。



…頬杖をつきながらぼんやり眺めていると、先ほど起きたばかりだというのにうとうとする。



『………ん、』



…頭がカクンと落ちかけた、その時。



「あれ、桜井副隊長、起きられたんですか？」

『＿＿＿＿…ん、…………あれ、やまざきさん？』



声のする方へ目を向けると、隊服を着た山崎さんが立っていた。…お昼休憩だろうか。



「…あ、寝てました？すみません、起こしてしまって」

『大丈夫ですよ。寝るつもりはなかったので』

「そりゃよかったです。」



山崎さんはへらっと笑い、私の方へ歩み寄る。



「…怪我の方は、大丈夫ですか？」

『さすがに少々痛みますが、お陰様でなんとかなってます。』

「そうですよね、まあ今日はゆっくり休んでくださいね。」

『ありがとうございます』




「＿＿＿＿＿あれ、副隊長」



山崎さんは何か気づいたようにこちらを見る。…どうしたのだろうか。



「……血、滲んできちゃってますよ。包帯取り換えてはどうです？」



言われて自身の左肩を見やれば、なるほど包帯は赤く滲んでおり。


『…本当ですね、ああ替えないと。ありがとうございます、指摘してくださって』

「いえ、んなことは大丈夫ですよ。…包帯あります？取り換えるの手伝いますよ。」

『昨夜、病院でいただいたのがここに……、あ、でも悪いので自分でやりますよ、お気遣いありがとうございます。』

「いやいや、そんな気にせんでいいですよ、しょっちゅうやってるんで。」

『…すみません、ではお言葉に甘えて……。』





山崎さんは包帯を手に取り、怪我の手当を始めてくれた。

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