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「1年生、困ったことがあれば遠慮なく言ってくれ。僕にできることならば力になろう。2年生、3年生は自身が後輩の手本となるという自覚を持って励むこと。いいね? もちろん僕達上級生はいつでも協力するよ」
「ああ、ウルス? 彼らとはどうも気が合わないんだよ。あの、粗暴な感じがね。別に全員がそうとは言わないけれど……。もう少し考えて行動すべきだとは、思うけどね」
「ふふふ、驚いた? 普段は髪に隠れて見えないからね。結構、好きなんだよピアス。こんな僕は、お嫌いかな?」
「そういえば、もうすぐ定期考査だったね。どう? 勉強は進んでる? 君はいつも頑張ってるから、特別に"ちょっとした"ズルを教えてあげる。ふふ、そう身構えることはない。ズルと言っても攻略法みたいなものだから。この先生はね、作問に癖があるんだ。そこさえ抑えれば大丈夫だよ」
「おやおや、また性懲りも無く。また、負けに来たのかな? ……おお、怖い。そんなにムキになってちゃ勝てるものも勝てないよ。さあ、始めようか。ルールは前回と同じでいいかな?」
「ふふ、イカサマ? 僕が? 面白いことを言うんだね。何か、証拠でも? ……おや、ないのかい。いけないよ。証拠があればそれは告発になり得たけど、証拠がないんじゃそれはただの誹謗中傷、負け犬の遠吠えでしかない。……もう少し、考えて発言したらどう? 自分の身を守る為にもね」
「母は美しいだけの人だったよ。本当に、その美貌以外になんの取り柄もない、ね」
「第一印象はとても重要だよ。一説によると人が相手の印象を最初に定めるのにかかる時間は3秒なのだそう。たった3秒で扉を閉ざされてしまうなんてもったいないと思わないかい?」
「なるほど。君の言い分は学生という身分が付随するのなら最適解だろうね。でも、君は僕と商売の話をしに来たんだろう? そんなに甘い世界ではないよ」
「女性は誰しも自分を美しく着飾るのが好きだ。でもそれだけじゃない。男性も、自分の妻や娘を美しく飾り立てることで甲斐性というステイタスを得るものだよ」
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