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【サンプルボイス】
「ルーヴ寮へようこそ、新入生の皆さん。僕はニキータ・エリコヴィチ・ロマノフ。ここ、ルーヴの寮長を任せて貰っているよ。君たちもルーヴの寮生に選ばれたということは、少なからず野心と、向上心をもって努力ができる者であるということだろう。それであれば、ここで得るものは多いはずだよ。……おっと、喋りすぎたようだね。時間は有限。それじゃあ、早速諸注意を……」
「……ん？ ああ……そうだよ。僕の実家はロマノフ商会。でも僕は実家の商会、というか家族に嫌われているからね。僕が実家の商会の話をするとあまりいい顔をされないんだ。僕は僕で商売をやっているから、何かあれば実家ではなく僕に言ってくれると嬉しいな」
「君には、ルーヴ寮の生徒としての自覚が足りないみたいだ。君の一挙手一投足は君自身だけでなくルーヴの生徒としての側面も持っている、と前に言わなかったかな？ ……あんまり、僕を失望させないで」
「ふふ、僕が普段穏やかだからと調子に乗るのはいただけない。君も、将来成功したいと願うなら人を見る目は養った方がいい。簡素な箱ほど中身は猛毒かもしれないよ」
「友人のよしみ……？ おかしなことを言うね。事実に基づく信頼と、情に基づく盲信は全く違う。前者は行動の指標として役立つけれど、後者はただ考えることを放棄した無能の怠惰に過ぎない。この違いを正しく理解しないといずれ、足元を掬われるよ。……とまあ、ここまで言えばわかるね？ おや、驚いた。まだわからない？ では、結論から言おう。君は、信頼に値しない。と、そういうわけだ」
「君、もう少し頭を使ったらどう？ もしかして、その頭は飾りか何かなのかな？ これは失礼。藁の詰まった頭で考えろだなんて酷なことを言ったみたいだ。おや、でもおかしいな。この学園はいつから案山子が入学できるようになったんだろう」
「知識というものは持っているだけじゃ仕方ない。僕は使ってこその知識だと思ってるよ。知識は活用しなければそんなもの、頭の容量を無駄に占領するゴミでしかない。逆に言えば、少ない知識でも有効利用できるならその方がいい、ということだよ」
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