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「もうすぐ定期考査でしょぉ……。ユウウツよね。え……? べつに対策は完璧よ。わたしには賢い幼馴染がいるもの。そうじゃ無くて、テストってあるだけでヤな気分になっちゃうでしょ。はやく考査期間終わってほしーい」

「わたしが、フィルを? 別に振り回してるつもりなんてないんだけど。てか、アンタにそんなこと言われる筋合いなくない? わたしたちの関係性に、アンタが口出す理由って、何?」

「いい? グロスの106番、89番、80番、73番。それからルージュの152番。これ覚えてね。明日買いに行くから。目つけてる分。新色なの」

「……わたし、これが好きってアンタに言った? そう……。毎度のことながら、本当によく覚えているわね」

「あ、そのお店? 行ってみたけど全然だったわ。なんか誇張広告って感じ〜。それよりこっちのお店の方がオススメよ。でも、ここわたしのお気に入りの穴場だからあんまりみんなには言わないでよね。アンタはトクベツ」

「わたしこの人きらぁい。なんか世界の美しさばっか語っちゃってさ。そんなに綺麗なものじゃないわよ。バッカみたい」

「モチベ上がんない……。ねえ、フィルなんとかして」

「フィル、ねぇフィルってば。……もう、集中しすぎ。何回呼んだと思ってんの。ほら、行くわよ。待っててあげるから早く支度してよね」

「恋と愛は違うからいーの。もう、あんまり言わないでよ。わたしを幸せにしてくれる王子様は彼じゃなかったのよ」

「わたしのこと好きならよそ見しないで。アンタはわたしだけ視界に入れてればいいの。簡単でしょ?」

「視線がうるさい。やっぱあっちむいてて」

「わたしのワガママ全部叶えてくれるくらいじゃないと嫌よ。ちゃんとわたしをお姫様にしてよね」

「いいわよ。……だから、アンタの提案を飲んであげるって言ってんの。そうじゃなくて、わたしがアンタを選ぶってこと。幸せにしてくれるんでしょ。期待してるからね」

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作者名:やまもと | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2023年2月15日 0時

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