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【サンプルボイス】
「……なに、不躾に。シャルロット・テレーズよ。これで満足かしら？ あ、あなたは名乗らなくて結構よ。わたし、あなたのこと覚える気ないもの。それじゃあね」
「やだぁ、僻んじゃってカワイソ〜。ブスは大人しくしててよね」
「見下げないでくれる？ すごく不愉快なんだけど」
「……そうやって屈まれるのも、べつにムカつく」
「ねえ、ちょっと。フィル……フィリップ・アンテロースを見なかった？ そう、蒼梟の。……そう。見かけたらわたしが探していたって伝えてくれる？ お願いするわね」
「フィル、やっと見つけた。探してたのよ。ヘアメ崩れちゃったの。やって」
「ニケさま、今日も顔面が大優勝だわ。推ししか勝たん」
「え、フィルのこと？ やだ、あいつはただの幼馴染だってば。だから、そんなんじゃないって」
「ママはわたしより乙女よ。私が皙鹿に組み分けされて泣いて喜んだくらいだもの。わたしは、別に……。あ、でも、紅熊はちょっと嫌かも。わたし、粗暴な人って嫌いなのよね」
「やだ、お似合いよぉ。なんか、ふふ、バカっぽくて」
「あは、惨め〜」
「ふふ、だっさぁ。ずっとそうやって地に伏せていればいいのよ。かぁわいい」
「口が悪いのなんて百も承知よ。そんなわたしでも愛してくれる人を探すからいーの。わたし性格は悪くても顔は可愛いもん」
「ママが言ってたわ。憧れの人を見つけなさいって。それでその人を目標にするのよ。そうやってレディはレディになっていくの。私の憧れは、幼馴染のお姉さんと、先輩と、それからミュクラ先生。どう？ 少しはその人たちに見合うレディになれてるかしら」
「女は恋してる時が一番輝くって言うでしょ？ わたしはいつだって可愛いけど、好きな人がいるときが一番楽しいもん。まあ、わたしの王子様は、わたしのことなんて視界の端にも入ってないんでしょうけど」
「あ〜あ、夢すら見せてくれないんだもん。なんか、バカらしくなってきちゃった」
「なんか、わたしこのままでもいいのかな……って。うるさい、わたしだって悩むこともあんの。あ〜あ、乙女の悩みは尽きないわね」
「ねね、美味しいパウンドケーキを買ってきたの。二つしかないからわたし達だけね。みんなには内緒」
「ねぇ、そのリップ新しいでしょ。わかるわよ。すっごくかわいいもん。アンタのセンス、わたしは買ってるんだからね。どこのブランド？ お願い、教えて」
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