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「世界はきっと、私が思ってるよりもずっと広いの。それをこの目で見てみたいじゃない？ その時隣にあなたがいてくれたら、もう何もいらないわ」
「だめよ。あの子は、あの子だけは。絶対に手放してあげない」
【その他備考】
好きなものはアップルティー、チョコレートケーキ、アンティークの小物、メイク、レース素材のもの、屋内から見る小雨。
嫌いなものは他人から軽んじられること、苦みの強い食べ物、大切なものに触れられること、強風、強い日差し。
実家は六花の国で代々続く大地主である。平たく言えば箱入りのお嬢様。普段の態度の割に常にどこか気品のようなものを感じさせるのものそういった家柄によるものが大きいだろう。
持ち物がやたら高級品であったり金銭感覚がややズレていたりと端々にお嬢さまを感じさせる。本人なりに感覚の矯正を試みている様で親族に比べればまだマシな方である。
地主という性質上、所謂不労所得で生活しているので親族の生活は緩み気味。別に親族に対して嫌悪感がある訳では全くないが自分が同じようになるのはあまりいい気がしないらしい。
ちなみに、家族構成は両親と既婚で実家にはいない年の離れた姉、同じく年の離れた兄と兄嫁、祖父母である。年の離れた末娘で特に祖父母からは目に入れて抉り回しても痛くないほど可愛がられていた。
幼い頃に屋敷に仕えていたヴィクトーリヤ付きのメイドが母親の宝飾品を盗んでいる場面を目撃したことがある。その際焦ったメイドは彼女の手を引き屋敷の裏に連れて行き、たっぷりと脅しをかけた。かなり怖い思いをした彼女は言われた通り口を噤み、それ以降なにか起こることはなかった。尤も、メイドは彼女のお付きであったため告発の機会もなかった様子。しかし、信頼していた人物から脅しをかけられるというその出来事は彼女の人格形成に多分に影響を及ぼした。何不自由なく甘やかされて育った割に箱入りらしからぬ言動が多いのはそのせいである。
件のメイドはそれから2年程の後に退職している。急な退職であったため犯行がバレてのことと思われるがその際にヴィクトーリヤに対してなんのメンタルケアも行われなかったことから察するに「メイドがお嬢様に犯行を目撃され脅しをかけた」事実はついぞ明るみに出ることはなかったのだろう。
現在その過去を知っている人物は当事者であるヴィクトーリヤ本人とメイドを除けばただ1人のみである。
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