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【サンプルボイス】
「あら、はじめましてね。ヴィクトーリヤ・ペトロヴナよ。……ふふ、ごめんなさい、不躾に。とっても独特なヘアアレンジだと思ったの。まさか、寝癖なんてことはないでしょう?」
「私のお願い、聞いてくださるかしら?」
「あら、なにか言いたそうね。ふふ、不満があるなら言ってごらんなさいよ。ほら」
「……わかったわ、公平に行きましょう。私が譲歩できるのはここまでよ。あなたなら、出来ない筈はないでしょう? ええ、そう。これは挑発よ。あなたはこんな安い挑発にでも、乗ってくれるでしょう? 悪い話じゃないもの。お互い不利にはならない筈だわ」
「ふふ、あなたに言ったわけじゃなかったんだけど。そんなに怒るなんて心当たりでもあるのかしら」
「実家に不満があるわけじゃないわ。でも、私を箱に入れたままにしておくなんてもったいないでしょ」
「美しい髪は、女の魅力をひき立てるの。髪は女の命って、よく言うでしょ?」
「冗談よ? やだ、こわぁい。そんな顔しなくてもいいじゃない」
「秘密よ。私と、あなただけのね」
「全く別のものを掛け合わせて、また新たな別のものを生み出すって、とっても神秘的で素敵じゃない?」
「あ、だめよ。それはまだ調合途中なの。もう……勝手に触らないでよ。繊細な薬品なんだから」
「失礼ね。言いがかりも甚だしいわ。なにか証拠でもあるの? やだ、なんにもなし? ひっどぉい。そんなのただの誹謗中傷じゃない。わざわざ、そんなことを言う為にここまで来たの? お暇なのね」
「ふふ、まさか私が気付いてないとでも? そのぼさぼさの頭の中身は砂糖菓子か何かなのかしら? 甘くて、ふわふわで、お可愛いこと」
「言葉の真意を読み取れないって幸せね。別に、他意はないわ。気にしないで」
「…………失礼ね。急に
「そう…………あなたの意中の彼がね…………ふぅん。それで? 自分に魅力がないのを棚に上げて私を詰るなんてそれ以外にすることないのかしら。まずは鏡を見てごらんなさいよ。あら、失礼。でもあなたの今の顔、すっごく不細工よ」
「無茶はできないわ。私のために命さえ投げ出しちゃいそうなあの子に、危ないことはさせたくないもの」
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