呼び方 ページ15
「んじゃ、これで俺は正式に、山本さんの義弟になるってことね。」
沙也のご実家についてからすぐ、彼女は「お母さんのお手伝いしてくる」と言って台所に行ってしまったので、僕は今で優真くんとお喋りをすることにした。彼は実家だとより自由というか、伸び伸びとしている気がするな。
「ハハ、そういうことになるね…なんか少し違和感あるけど。」
「それは俺もだよ。っつか、姉ちゃんも山本になるってことの方が俺的には違和感だわ。だから俺もうあんたの事山本さん、って呼べねーんだよなぁ。」
そういいながら手元のせんべいを口に運ぶ。イケメン君だからどんな動きも全部格好良く見えるなぁ。
「っつーことで、何て呼んでほしい?」
「えっ、僕のこと?」
「そうそう。いつまでも"あんた"なんて呼べねーし、こう呼ぶと姉ちゃんが怒るんだよ…失礼だ〜って。だからなんか別の呼び方で呼ぶからさ、んー、祥彰さんとか。」
「そんな堅苦しい言い方じゃなくていいよ!祥彰でいいよ?」
そういうと、どこか不服そうな表情をしてう゛〜と唸る優真君。え、お腹痛い?
「なんかさぁ…いや、俺も最初そう思ったんよ。あんた優しいからその呼び方でも許してくれるんだろうなって。でも…なんつーかさぁ…。」
その後もごもごと何かを言う優真君。あ、お腹が痛いんじゃなくて、呼ぼうか呼ぶまいかで悩んでたのか。そんな気にしなくてもいいのに、と思ったがどうやら僕が気にする気にしないの問題ではないみたいだ。
「なんか問題があるの?」
「いや、問題っつうか…。その、祥彰って呼び方は
姉ちゃんだけの特別な呼び方なんかなぁ、って思って。」
「…!」
頬を少しピンクに染めてそういう優真君。
「ふ、フフフ。アハハ!」
「ちょっ、なんだよ!笑うなよ!なんか変かよ!だ、だってそういうもんだろ!?」
「アハハッ、ごめんごめん!うん、お気遣いありがとう、…ククッ。」
そっか、この子はよく考えたら高校生。こういうのにはもしかして不慣れなんだろうか。
「ったく…。あーだからよ、俺ちょっと考えたんだけどよ。」
**
「お待たせ〜。洗い物終わったよ。二階に荷物片づけに行こう、祥彰。」
「あ、オッケー。」
「優真も悪いけどちょっと手伝ってもらえる?」
「ん、わかった。んじゃ行くぞ〜姉ちゃんと、
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門名 - とっても面白いです!!一日中ずっと読んでいます。更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年8月13日 10時) (レス) id: eb3874c343 (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - ほんとに面白いです!更新頑張ってください!! (2020年6月2日 17時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - とても面白くて一気読みしました!これからも更新頑張ってください! (2020年5月24日 10時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ(プロフ) - 早慶カップルからずうううとここまで読みました!!最っ高です…!素敵な作品に出会えて感謝です!これからも更新頑張ってくださいね!応援しています!!! (2020年5月8日 8時) (レス) id: f07a41e0f2 (このIDを非表示/違反報告)
鮭大根(プロフ) - うわぁ心があぁぁ喜んでいるうううううう(すみませんこれからも更新頑張ってください) (2020年4月14日 19時) (レス) id: c882518901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月花 | 作成日時:2020年3月12日 20時