私が生きてる意味【灰谷兄弟】

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私はいま、夜の街をひとりで散歩していた










家にいてもだれもいないし、ひまだし、










「お姉ちゃん、随分と若いね〜俺らと遊ばない？」










…もう5回目。





やっぱ夜にこんなところ、制服で歩くんじゃなかった





でも、他に服なんて部屋着くらいしかないし、しょうがないよね





とか、思いながら今日5回目のセリフ





『ナンパとかきもいんで。軽々しく話しかけないでください』





「……いこーぜ」





とか言いながらなんとなく聞き耳をたてる





「ナンパされたくねーならこんなとこ歩くなってなww」



「どーせイケメンに話しかけられたらホイホイついてくんだろw」



「イケメン待ちでーすってかwwきもすぎんだろw」





また言われてる。





そりゃそうだよね、あんな言い方普通しないよね





でも、私はもう人の心なんて持ってない。





誰かが私のせいで傷ついたところで私には関係ない





そう思ってるから、普通の人なら言えないことでも何も思わず言えて





一瞬で人を傷つけられる。





はは。やっぱ、私って死んだほうがよくない？



だって、生きてるだけで知らない人を傷つけてんだもん



故意にやってるわけじゃないし、





そっか。じゃあ、話しかけてくるやつが悪いよね





いや、ここを歩いてる私が悪い？





私は悪くないでしょ。










めんどくさ、考えんのやめよ。





『家、かえろ』








「ねえねえ？そんなとこで一人で歩いてたら危なくなーい？」

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