ささやかな毎日のなかで ページ6
【この街の思い出】続編
メモを整理していたら埋もれていました。
初期の初期のお話の続きを今更、、
削除するのも勿体ないので載せておきます。
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「そのくまどこにつけるん？」
「存在感あるから家の鍵につけます」
鍵なら持ち歩けるから毎日一緒！
マスコットの入った袋をぎゅっとしながら
そう言うと将企さんは「ええんちゃう？」と
微笑んでくれた。
上野駅にて
「将企さん夜ご飯は誰かと約束してます？」
「Aと約束しとんのに、誰と行くんよ」
…嬉しい。
東京に行く時は先輩や後輩とご飯を約束してる
と聞いていたから、きっとそうだろうと思ってた。
「一緒に飯行くんやろ？」
「行きます」
「ならAのホテルの近くで探すか」
「なんでですか？」
「ホテルまで送るから以外になんかあるん？」
「え、ひとりで帰れますよ」
と、言った後に我ながら可愛くないと思った。
素直に「お願いします」ってなんで言わないの、私…
「Aのよくないとこ」
「将企さんだって明日仕事じゃないですか、迷惑」
「迷惑な訳ないやん。心配やって言うてんのに」
「…お願いします」
俯いていると頭をポン、とされる。
「何回言っても直らへんなぁ、俺には甘えてええのに」
私は幼い頃から妹の面倒を見てきた。
親に「あなたはお姉ちゃんだから」と言われると
妹のようには甘えられなかった。
私の泊まっているホテルの近くのお洒落な居酒屋。
「生と、Aはチューハイでええよな？」
「今日はノンアルにします」
一応仕事で来てるから
もし夜中に何かあったらいけないし…
「真面目やな」
「自分で自分の身を守らないと」
「俺が守る、とか言えたらカッコいいねんけど」
物理的に難しいからなぁ…
そう呟く将企さんは店員さんが持ってきた
グラスを掴むと
「明日朝早いん？」
「6時起きですね」
「ホテル行く時間あるやん」
「ちょ！こんな所で何を！」
将企さんの腕をポコポコ殴る。
「Aはすぐ顔が赤なるな」
にやにやする将企さん、確信犯ですね。
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作者名：裕 | 作成日時：2021年9月5日 15時
