ささやかな毎日のなかで ページ3
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【特別な出会い】
リリーとAの出会い ×編
東京の収録に向かうために新大阪に来た。
「ため息ついたら幸せ逃げるで」
「、ですね」
通りすがりのベンチに可愛い子が座ってて
その子が隣のおじさんに絡まれているのを
偶然、目撃した。
少し離れて見とると、迷惑そうにしとる。
助けるしかないよな
「ここにおったん？」
「え？」
驚く女の子の腕を掴んで立ち上がらせて
すぐ後ろにあった売店の裏に連れて行く
「大丈夫やった？」
「え、あ、ありがとうございます」
「めっちゃ嫌そうな顔しとったから」
「顔に出てました？」
「ハッキリ」
「ふふっ、すみません。助かりました」
可愛い笑顔が見れたから
声かけて良かった。
「もうすぐでお客さんの乗った
新幹線が来るのでどうしようと思って」
そう言えば、可愛い制服着て
首にピンクの華やかなスカーフ巻いとる
「なんの仕事しとるん？」
「バスガイドです」
その子は持っていた短い棒を伸ばして
畳まれていた布を広げて見せてくれる。
観光地でガイドさんが持っている旗だった。
「だからこんな可愛いんや」
ホンマに、アイドルって言われたら
そうなんやって素直に受け入れられる。
「やめて下さいよ、助けて頂いた上にお世辞まで！
何もお礼出来ることないのに」
「お世辞ちゃうよ」
じゃあご飯でも、と言いかけた時
『間もなくホームに新幹線が参ります』
とアナウンスが入り、ガイドさんが慌てて
「あ！すみません、本当にありがとうございました」
失礼しますと会釈して、行ってしまった。
連絡先貰えんかった…
なんていつまでも悔しがってはおれず
変わらぬ日々を過ごす。
「バスドライビング対決！！！」
あるローカル番組で関西のバス会社の
ドライバーを集めて運転技術を競うロケ。
「次のドライバーさんは」
モリシがどんどん進めていく。
「こちらもバスガイドさんが応援に来てます」
ドライバーさんの横に来たガイドさんたち。
「あ」
思わず声が出た。
向こうも、驚いた顔で俺を見る。
休憩中。
なんとかあの子に話しかけようと試みるも
他のガイドさんと一緒にいてタイミングがない。
結局話せんかった…
こんな偶然滅多にないのに、逃した
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作者名：裕 | 作成日時：2021年9月5日 15時
