コイノウタ弐 (ページ19)

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人をも身をも恨みざらましページ19

逢ふことの絶えてしなくはなかなかに続き

移動中に読む小説を見に構内の本屋に入る。小説を選ぶ前に週刊誌に載るAを見ようと雑誌コーナーへ。

【大人気グラドルのお忍びデート】

たまたま目についた雑誌にドキッとする見出しを見つけて思わず手に取る。

夜の繁華街で堂々と抱き合う男女がいた。男性は長身でマスクをしていてもわかる整った顔。そのイケメンに抱きしめられていたのは、なんと大人気グラドルのAだった。個室のある居酒屋から出てくるとイケメンに抱きしめられ、そのまま会話をした後タクシーをとめ、乗り込もうとするAの頭をイケメンが優しく撫でる。するとAは...

文章と共にモノクロの写真。Aな訳ないと思いたかったのに、羽織っとるのがお揃いで買ったアウターで、頭を殴られた衝撃が走る。

俺と付き合っとる事がバレていない安心と、あれだけ気をつけとるAが男と...？

結局小説は買わずビールだけ買って新幹線に乗った。

こういう時って俺から連絡するべきなのか、連絡が来るのを待つのか、、酔いたいのに酔えん。

「、A」

振動したスマホをすぐに耳に当てる

『記事、見たよ、ね』

「見た」

『まぁくんは私のこと信じてくれてる、と思ってる...あの男、一時帰国してる従兄弟なの』

「え？」

『海外が長くて距離感近いの、昔から。もし、私のこと信じられないなら本人に会って確かめて欲しい』

「、、なぁ、これから東京戻るんやけどこの後会える？」

『うん、私、まぁくんに謝りたい...』

そこで急にスイッチが入ったように泣き出すA。

「泣かんで。怒ってへんし、俺のこと大好きなの知っとるから。あと1時間くらい。家行っていい？」

『ん、、待って、る、』

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