コイノウタ (ページ27)

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傾くまでの月を見しかなページ27

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「ふふっ、ほんま、に、、、」

アパートの窓を開けて、西の空に傾く月をぼんやり眺める。

「破るなら約束なんかせんで欲しいわ、、あほ将企」

独り言がシャボン玉みたいに宙に浮かんで消えていくのが切ないんやけど、口に出さんとやってられへん。

どうせ、女の子のとこやろ

約束しても破られるの、分かっとるのに。今日は本当に時間通りに来るんちゃう？って月をボーッと眺めて待ってまう。

何回目やねん、これ。

お月様も私のこと笑っとるんやろ、

いくら待っても来ないよ、って。

ほんまに笑ってくれたらちょっとは晴れるねんけど、、

「起きとったん？」

「、将企」

「ごめん。飲み会が盛り上がって帰るに帰れんかった」

窓際に移動させたイスの上で膝を抱えて座る私を抱きしめる将企からは、飲み会、っていうのが嘘やって分かるくらいにシャンプーの香りが鼻についた。

だいたいこんな時間まで飲む人ちゃうやん、、

「なんで私と付き合ってるん？」

「好きやから」

私のベッドに並んで横に寝転ぶ将企に問うと当たり前のように「好きやから」って言う。

じゃあなんで遊ぶん？

泣きそうになって将企に背中を向ける。

「Aは俺のこと好きちゃうの？」

背中にぴったりくっついて抱きしめられる。他の子にもやってるんやろうか…

それでも

「、、好きやけど何か」

「ふは」

約束は破られるけど

最後に私のところに来る将企のこと

嫌いになれない

そんな私自身が、嫌い

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