コイノウタ (ページ11)

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夏の夜はまだ宵ながら明けぬるをページ11

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『線香花火やりたい』

「線香花火だけなん？」

『音と火花を楽しみたいの！』

「ええよ、やろう」

「わざわざ浴衣着んでも」

『夏らしい事出来なそうだからこれくらいはね』

「僕はAちゃんの浴衣姿見れて嬉しいですよ」

「将企くんはほんまに優しいねぇ」

浴衣と線香花火を持って将企くんと私の実家へ。

花火をしに将企くんと行く、と連絡すると鰻を頼んでくれた。

家族と仲良くしてくれる将企くんと、快く迎え入れてくれる家族に感謝の気持ちで胸もいっぱいになる。

『将企くん！花火のお時間ですよ！』

暗くなって駐車場に線香花火とバケツを持って行く。

火をつけて

ゆっくり火花が散り始めたと思ったら勢いを増す。

「線香花火も結構楽しいな」

『落とさんようにするのがまた、、』

松の葉みたいに勢いよく枝分かれする火花は

「あ、落ちてまった…凄いな、A上手」

今の私みたい。

仕事も恋愛も順調で、多分、人生で1番勢いがある。

「ご馳走様でした」

「いいえ、また遊びにおいでね」

『ありがと』

「ありがとうございます」

せっかくだから浴衣を着たまま実家を出る。

「ちょっと寄り道してええ？」

将企くんに手を引かれ

『どこ行くの？』

「秘密」

着いた先は

『えっ？』

「もう我慢出来ん」

チカチカと明るく光るホテル。

『ん…ちょ、待っ、、」

部屋に入るなり熱い口付けが降ってきて

「浴衣似合いすぎ」

『はぁ、』

「まぁ…脱がすけど」

『あぁっ、ぁ、んんっ』

「はぁ、A、、」

『っあ…はぁ、、っ、ん？』

「愛しとるよ、」

『っ…！』

沢山沢山愛し合って

『も、腰が、、』

「おばあちゃんみたいになっとる」

気付けば、

「仕事行かなかんなぁ」

あっという間に夜が明けてしまった。

『夏の夜短すぎ…』

「ほんまやな。また浴衣着てな」

『…それは、ちょっと、、持ち帰り案件デス』

「えー」

次の将企くんとの夜も、濃厚な時間になるといいな、

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