コイノウタ (ページ1)

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ありあけのつれなく見えし別れよりページ1

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「い、、や…んう、ふ、ぁ」

「はぁ…っ」

「っ…リリ、さん…ど、して？」

初めて本気になった後輩のA ( アピールはまだしたことないけど ) に「ご飯行きましょう！」と誘われて来てみれば－

「彼氏出来ました！ご報告したくって」

「ほんま、良かったやん」

聞きたくない報告をされた。

恋しとるとか、今まで言ったことなかったやん。

誰？

芸人？

どんなやつ？

いい男なん？

早く動いてたら良かった

俺が告白したら？

Aはなんて答えてくれた？

それからずっと、頭の中はそんなことばっかりで。

「ご馳走様でした。じゃあ、また、」

「ごめん、トイレ借りてええ？」

別にしたないんやけど、狡い俺が、口を開いた。

「え、あぁ、どうぞ」

なんも気にせず俺を部屋にあげるAが憎くなって

「ごめん、ありがとう」

「いい、えっ？！リリーさん？！酔ってます？」

抱きしめる

「酔ってへんよ」

「さっきから、リリーさんおかしいですよ？」

おかしくさせたんはAやろ

顎を掴むと泣きそうな顔で見つめられて、、

泣きたいのは俺なんやけど

「待っ！」

いっそ無茶苦茶して嫌われた方がええんかな？

キスをすると胸を押されたけど、男の俺には勝たへんくて。暴れるAの後頭部を押さえて舌を捻じ込んだ

「い、、や…んう、ふ、ぁ」

「はぁ…っ」

「…リリ、さん…ど、して？」

あまりにも苦しそうに息をするから、さすがに唇を離すと大粒の涙が零れ落ちた。

その涙は、どんな意味があるん？

「帰っ、て…帰ってください…」

泣き崩れるAに声をかける権利があるはずもなく、背中を向けた。

月は照っとるのに、心はこんなに靄がかかって…
頬が冷たいのはなんでなんやろう…

「月、」

それから少ししてAは芸人を辞めた。風の噂では実家の跡を継ぐ、ということらしいけど本当のところはわからん。

あの日と同じ月を見ると、どうしようもなく辛くなる

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