コイノウタ (ページ38)

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花の色は移りにけりないたづらにページ38

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「Aはこっちな」

4人がけのテーブルがいくつも並んでいて、1番奥のテーブル席に私の腕を引っ張って座らせ、横に座る盛山さん。

見取り図さんとミキ兄弟とニッポンの社長と私ら4組で、とある番組のロケに来てて、そのお昼休憩に入ったレストラン。

「盛山さん！ずるいです！」

「なんでAの横座ってんすか」

はぁ…始まった…

盛山さんと辻さんと亜生くんが言い合いを始めて、盛山さんの横をこっそり抜け出す。

いつからか、この3人をはじめとする先輩後輩がこんなやりとりをするようになって。

正直、たまに面倒くさい時がある…

『もぉ…』

「大変やなぁ。まぁ取り合いされるうちが花やろ」

同期の西原は冷静に私を見て言ったあと、騒がしい3人のすぐ横のテーブルに着いた。

「ここ座る？」

自分の横の椅子を叩く。

『巻き込まれるよ』

「そやな、やめとこ」

西原は笑ってのんびり歩いてきたリリーさんに目線をやった。

『リリーさん』

「ん？」

『そこ…』

揉める3人を見ると

「またやっとん？ほっとき」

笑いながら私の手を掴んで西原の正面の席に誘導する。

「なんでお前やねん！」

「みんなAAって！私は？！」

揉めてる間にこっそり盛山さんの横に座った我が相方は、私を見てピースをする。

盛山さんのことホント好きね、あの子は。

辻さんも亜生くんも私がリリーさんの横に座ってるのを見て渋々盛山さんと相方が着いたテーブル席に腰を下ろした。

『んふ。リリーさんありがとうございます』

「当たり前やん？Aは俺のやから」

西原の驚いた顔、昴生さんの「えぇ！！」という叫び声。
私今相当マヌケな顔してる…

「そっちの3人も、Aは俺のやから」

「きゃ〜！！！宣言！！！」

楽しそうに声を上げるのは相方だけ。

盛山さん辻さん亜生くんとリリーさんは、見えない火花を散らしてる…

今までそんな素振り見せたことなかったのになんで？

いつもあの輪にいなかったのに？

ボケ？本気？

…リリーさんのことが分からない

「先が思いやられるな」

前に座る西原の声は私には届かなかった。

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