コイノウタ (ページ24)

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長からむ心も知らず黒髪のページ24

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「Aの作るご飯好きやわぁ、俺」

「んふ。ありがとうございます」

私の部屋にリリーさんこと、彼氏である将企さんが来る日は可能な限りご飯を作って一緒に食べる。

「ぁ、待って、」

「無理」

お酒も入って、ベッドに雪崩れ込む。

「っ、あ、、」

「好き」

「あっ、ん、、私も、好き、っ」

将企さんの腕に抱かれて目を閉じる。

「ん〜…1番落ち着ける場所」

「ほんま？」

「ほんま、です」

「ふは。可愛いな、Aは」

腰にまわる腕にギュッと力が籠ったのがわかる。

「ずっと一緒におってな」

「勿論です」

「A、」

先にもぞもぞと動き出していた将企さんの声に目を開けると、もう準備万端で。

「また後でな？」

「いってらっしゃい、」

「ん。いってきます」

玄関でギュッと抱きしめられて、顔を見上げると唇がぶつかる。

時計を見るとまだ7時。もう少しゴロゴロしようと布団に戻る。

「んふ…将企さんのにおい残ってる」

残り香ににやける自分を笑いながら目を閉じる。

ーずっと一緒におってなー

将企さんを信じていない訳じゃない。

いつまでこの幸せが続くのか…

わからないのが、とっても怖い

ベッドの上に乱れた黒髪のように、心もぐちゃぐちゃになる。

「おはようございまーす♪」

「えっ？Aちゃん、やんな？」

「はい、そうですよ？」

劇場の楽屋に入ると盛山さんがいて、私を見て驚いてる。

「Aー、今日のご飯やけど、って、えぇっ？！」

「んふ、イメチェン？です」

朝、黒髪のようにぐちゃぐちゃな心が嫌で、思い切ってショートヘアにして気分を変えようと美容院に飛び込んだ。

「待って、、可愛すぎるわ。あかん、」

「おいリリー！劇場ではやめろや！」

「盛山さん！助けてっ！」

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