くだけて物を思ふころかな ページ3
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「姉さん姉さん！好き！」
「もうっ！リリー、うるさい」
俺の大好きなA姉。
「Aさん、これ貰ったんすけど俺飲めへんから」
「えっ！これ飲みたかったやつ！盛山ありがとう」
お前それ貰ったちゃうやろ、姉さんの喜ぶ顔見たくて自分で買っとったやろ。
「痛っ！何すんねん！…Aさん、八つ当たりされるんで、コイツも構ったってください」
「えー…うるさいもん」
モリシに蹴りを入れても、姉さんは構ってくれん。
「A姉、今日ご飯行きません？」
「今日はゆず兄と約束してる」
初老なんかほかっとけばええ。
「姉さん、今日、」
「ごめん。今日友達と」
明日から東京やから姉さんを補給したかったのに。
「Aさん明後日なんすけど、」
「明後日は地方で泊まり」
タイミング悪すぎ！
「今日ご飯に、」
「ごめん。今日体調悪い」
ほんまに体調悪い時はこんな元気ちゃうやん…
「A姉」
「んー？」
劇場の楽屋で番組のアンケートの記入をしとる姉さん。横顔綺麗やなぁ…
「なんで僕とご飯行ってくれないんですか？」
「だってご飯だけで終わらなそうやもん」
「どういうことですか？」
「べろんべろんに酔わされて、どうにかされそう」
「大好きな姉さんにそんなしませんよ！」
しっかり同意を得て、いや、僕の彼女として、姉さんと一夜を…いや毎晩過ごしたいんで
「気持ち悪い」
「Aさんひどいっすわ…」
いっつもそう。
こんなに大好きやのに。
遊ぶこともやめてA姉だけを見とるのに、A姉は冷たくあしらう。
「僕、Aさんのこと本気なんですよ」
「あんま軽々しく言わん方がいいよ。いざと言う時に本気やって思って貰えなくなるから」
やっと2人でご飯に来れたのに…
姉さんの言う通りやな…
最初の頃はびっくりしてたけど、最近は「またか」と流されて終わり。今だって真剣に伝えたのに。
そろそろ俺の心、砕け散るやろなぁ…
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作者名：裕 | 作成日時：2021年7月12日 1時
