コイノウタ (ページ16)

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かげさへしるくてれる夏かなページ16

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太陽がギラギラと照り、肌がじんわり焼かれとるのを実感する。

夏やなぁ、、

仕事ちゃうかったら来んやろなぁ、、

『最高〜』

「暑い」

『せっかくの海なのに』

ロケの休憩中。
久しぶりの海(らしい)でテンションが高いA

『ハナ〜！リリーもモリシも！おいでよ！』

「元気やな、あいつ」

「山育ちだから特にじゃない？」

俺もモリシもAの相方ハナも砂浜に座ってスカートの裾を持って波打ち際を歩くAの姿を眺める。

「リリーがまだAに告白してないなんて驚いたなぁ」

「俺をなんやと思っとるんよ」

モリシがはしゃぐAの動画を撮りに立ったところで、ハナがそう言って俺を揶揄う。

「付き合い長いからわかるよ。リリーがAのこと本気って」

「あいつは俺のことただの同期と思ってそうやけどな」

「そう？案外両想いかもよ？」

ロケが終わり、再び休憩に入る。

「19時に移動します」

スタッフさんにそう言われて時計を見ると、まだ16時過ぎだった。

『太陽が沈むところ、見たかったなぁ』

「綺麗やろな」

『ね』

ここから程近い休憩場所の商工会議所に行くもする事もなく…
ハナの言葉が気になった事もあって、まだテンションの高いAを誘って散歩に出る。

さっきロケをした海岸の防波堤に並んで座って話す。

「Aさ、」

『うん？』

「恋愛するの疲れたって言うとったやん」

去年の春、彼氏と別れた時にそんな事を言われて、、チャンスが来たのに一回見送っとった。

『そうだね、一から関係築くのとか今はいいかなって』

「俺とするんも嫌？」

『、、え？』

驚いた顔で俺を見るAに

「Aのこと、ずっと好きなんよ」

『り、リリー？』

「だから、俺と付き合ってくれませんか？」

気持ちを伝える。

「俺とやったら関係とかさ、、え、ちょ！」

『リリー…信用しても、いい、？』

ポロポロ涙を溢すAの手を握った。

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『気持ちいい〜！』

「ほんまに好きな、海」

『だって将企に告白された場所だもん』

あの日のように波打ち際を歩くAは嬉しそうで。

「この海ちゃうけどな」

『細かいことは気にしないの！』

照りつける太陽、キラキラ輝く海、穏やかに笑うA

こんなに幸せなら、暑苦しい夏も悪くないな。

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