キム社長と秘書３

新社長 ページ12

『社長‥よろしいですか』




NJ「ああ」



『いらしたので、ご案内します』







今日は新社長になったという人が挨拶にくる。



カン社長が体調を崩し、社長が変わったという噂だ。





そう、あのカン社長。

Aさんの前に勤めていた会社だ。











YG「失礼します」


『社長 こちら ミン社長です』




NJ「はじめまして。社長のキムです」






若いな。



聞いていたより若い。


俺と同い年くらいか。








『すみません、少し外します』




Aさんは電話がかかってきたらしく出ていった。






　

若い社長だが、息子でもなく、実力で成り上がった優秀な人だと聞いていた。


パーティーで会ったことがあるらしいが、

人の顔は相変わらず覚えるのが苦手だ。









話し方もいかにもクレバーだ。



落ち着いていて 常識のある雰囲気。


物静かだが、人を引き付けるオーラを感じる。








YG「今後もよろしくお願いします」




NJ「こちらこそお願いします」






最後にしっかりと握手を交わした。



カン社長とは全く違う。




これからこの会社は変わるだろう。









YG「最後に申し訳ないですが」



NJ「はい」




YG「彼女は、どうですか。元気そうでしたが」



NJ「ああ 元気ですよおかげさまで」






Aさんは長く勤めていたから、聞かれても当然だ。






YG「うちを辞めてすぐこちらへ変わったので

　 引き抜かれたと噂になりましたが、違ったんですよね」





NJ「ええ、たまたま辞職願いを出した日に出会って」




YG「惜しい人材を失いました。辞めてからは大変でした」





優秀な彼女が秘書を辞めたら、やはりそうなったのか。




YG「私も新しく秘書を雇おうと考えています。

　 また彼女に意見を聞くこともあるかもしれません」



NJ「そうですか」





この時はなにも考えなかった。

意見を聞く というのがどういう意味だったのか。
　

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