聞こえる男【JM】２

過去 ページ9

まぁそんなとこって‥

嘘だろ





JM「‥‥」





返す言葉が出てこなかった。







『あ ごめんごめん違うの別に深い意味は‥』




JM「たまたま夢ででてきただけ？」




『うん。そう、 なんだけど‥』






　なんだけど？


　まだ？



　続く言葉は、悪い想像しかできない。





『ごめん。ちゃんと話す』






やっぱり何かあるんだって

胸がザワザワして

最悪の展開まで想像してしまう。







こんな幸せな朝に、まさか別れ話とかに発展する？







『ごめんね。もう７年になるんだけどね

　前に付き合ってた人がいて』







JM「うん‥」





『山登りが好きで、よく大学のサークルで山行ってて』




JM「へぇ」





『‥‥山から帰ってこなかったの』

　



JM「‥え」




『友達と数人で行ったらしいんだけど、

　途中で遭難して、そのまま彼だけ行方不明になって』





JM「‥そうなの‥‥え それで？」




『何日も捜索されたんだけど、結局見つからなくてて』




JM「‥‥」






想像してた話とは全然違って

それこそ返す言葉がなかった。






『今もわからないままで』




JM「‥‥」




『しばらくはキツかったけどね』


『いろんな人に助けられて、少しずつ元気になって』


『今はもう、全然大丈夫なんだけど』





ぽつりぽつりと話す彼女をただ見てるしかなくて




『ちゃんと前に進んでこれたし』


『ジミンくんのこと好きになって、恋愛もできてる』

　
『ただ たまに夢に見るときがあって、それだけ』

　



無理をしてるわけじゃなくて、本当にどこか

割り切ったとでもいうか、乗り越えた感じではあるけど？





JM「そっか‥それは、辛かったね」





そんなことしか言えないけど

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