聞こえる男【JM】２

奇跡 ページ25

JM「明日早いから今日は早く寝なきゃな」




『６時だっけ新幹線』




JM「うん」






俺は明日から出張に出かける。






『さみしいなぁ』



JM「２日だけだよ」



『でもさみしい』



JM「じゃ連れてこっか」



『休みとっちゃうかな笑』





さみしいとか

相変わらず思ってることを ハッキリ伝えてくれる。





JM「俺のいない間にミンさんと食事行かないでね」



『行かないよ』




JM「誘われてたじゃん」



『なんで知ってるの。もしかして心読んだ？』



JM「違うよ話してるの聞こえてきたの」




『なんだそっか』


JM「ひどいねそんなこと言う？笑」



『ごめん、だってその可能性もあるじゃん』





ほんとに遠慮がなさすぎて潔いよ。




JM「心の声聞こえた時は、気になったら言うから」


『だね。疑ってごめんよ』






突然 手を離したから 立ち止まった。




JM「どした？」



『‥‥‥』




JM「‥っわ」






黙って真剣な顔したかと思ったら

思いきりぎゅっと抱きついてきた。





〘‥好き 大好き〙







JM「‥‥どしたの」



『聞こえた？』




JM「うん」









〘好き‥キス‥してほしい〙






JM「‥‥」








頭を抱えて そっとキスした。







『やった通じた♡』


JM「口で言わないの」



『念を送ってみた』



JM「なに利用してんの」




『フフフたのしーい』



JM「能力で遊ばないでくれるかな」





ほんとにこの人は

俺の予想を超えてくる。






心の声のこといつも隠してて

聞こえても知らないふりしなきゃ

触ったら悪いな



そんな罪悪感ばかりもってたけど


最近はAさんにだけは普通に話せて



遠慮もなくて なんでも話せて


自然なありのままで過ごせてる。






こんなに前向きに受け入れて生きてるのは


俺自身も初めてだ。




この能力のせいで諦めてたたくさんのことが


Aさんとならできるからすごい。






俺にとっては


奇跡かな


それくらいにすごいことなんだよね。

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