聞こえる男【JM】２

拒絶 ページ17

俯く俺を気にかけて

そっと顔を覗き込んでくれている。








『‥やっぱりいろんなことが聞こえちゃうんだね』




ようやく顔が見れた。









『大好きだよ』







その言葉に

泣きそうになってしまった。








気づけば勝手に体が動いて


離れていた彼女の体にもう一度近づいた。




ぽーっとした顔




いつものAさんとは違う





乱れた服





さっきの行為が蘇ってくる。






開きかけた前開きのパジャマの首元

肩が半分見えてしまってて



付け根まで見えるほどに露わになった白い脚






思わず息を呑んだ。




この人がほしい





吸い寄せられるように


抱き寄せようと手が伸びた瞬間













『‥っ』










『‥っごめ 違うの』













Aさんは




明らかに俺の手を避けた。









触ろうとしたその手から逃げるように、

体を反射的に引っ込めたんだ






そっか


触られたくないよね


聞かれるかもしれないんだから。










『違うよ‥ごめん ジミンくん』




JM「いや‥いい」







拒絶された

Aさんに拒絶された






心が聞こえるやつなんて

やっぱ無理なんだ。






その事実があまりにショックで





それ以上顔が見れなかった。





JM「帰るわ」





『ごめん‥いまのは、違う』





JM「なにが 違わないよなにも」







引き留めようとしてくれていたと思う



でも、それすらも振り払って

俺は家を出た。





最悪だ





何も考えられなかった。

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