偽婚しましょう【TH】

寝る前に ページ41

TH「ただいま」




『おかえり』





ああこの響き。


なんて幸せな毎日なんだろう。






TH「わぁいい匂い。お腹すいた〜」



『手洗ってきてね』





Aちゃんの後ろに立って

料理を覗いてみた。




ジミンの話を聞いたからってわけじゃないけど

もう少し男として見てくれないかな。



とか思ったり。







ちょっと近いかな。


でもこれくらいいいよね。






髪の毛しばってるから

首筋が見えてドキドキする。





『なに つまみ食いしようとしてる？』




TH「え‥」




振り向かれたら、めっちゃ近かった。


しかも下からのアングルはヤバかった。





しまった 俺がドキドキするだけじゃん。















結局はいつものようにご飯を食べて、

お風呂に入って‥‥






『ふぁ〜寝よっかな』




何か起こすこともできない俺。

何をどうしろっていうの。



部屋へ移動しようとするAちゃんの声を聞いて

本当に全く意識されてないし

ドキドキしてるのは俺だけなんだなって思う。







『‥テヒョンくん？』




ぼーっとしてたからか

気づけば俺の目の前まで来てた。





『なんかどした？今日元気なくない？』



TH「あーうん」



『話、聞くよ？いつも私の話たくさん聞いてくれてるのに
　ごめんね。なにかあったの？』




ソファの俺の右隣に腰掛けて

そんな優しいことを言うんだけど





俺のこと 全然 何とも思ってないから

だからだよね







『テヒョンくん？大丈夫？』





Aちゃんの肩に手をおいて、勢いで 抱きしめた。




黙ってただそっと、抱きしめた。







TH「ごめん。ちょっとだけ‥こうしてて」



『‥ん』





小さくて消え入りそうな声だけど

答えてくれた。







小さな肩


柔らかい背中




すごく安心する。




このままずっと こうしてたいけど




TH「‥‥ありがとね」




体を離すと、見たことない不安げな顔をしたAちゃんが俺を見上げてた。




このまま‥‥なんて勇気は 今の俺にはないよ。





『大丈夫？』




TH「うん。ごめんね急にこんなこと」




『いいよ別に。何でも言ってね』




TH「ありがとね。ごめんね寝るところだったでしょ」



『うん‥』




TH「俺も寝るよ。おやすみ」




『‥うん。おやすみ』





それぞれの部屋へ行った。








これで‥よかったんだよな。

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