偽婚しましょう【TH】

責任 ページ26

『洗い物ありがと』



いつも長風呂のAちゃんだけど、
今日は、特に長かったような気がした。



　




TH「あのさ、アフリカ行き 外れたよ」





報告はしなきゃと思って、何でもないみたいに話した。





『そっか。そうなんだ』


TH「うん。昨日発表されたから」




『‥よかったね』



TH「うん」



うん、が正解なんだろう。





TH「ごめんね、巻き込んで」



『‥‥』



TH「Aちゃんのこと、利用してる」




返事がなかったから、気まずいのかと思った。






TH「ごめん」






利用してる、なんて失礼だったよね。

怒ったかもしれない。









『‥‥私は、利用されてるつもりはないよ』




いつもの優しい顔じゃなかった。

真剣な顔で前を見ながら話をされた。





『テヒョンくんにとっては、アフリカ行きを避けるための
　結婚なんだろうし、

　私にとっては、新しく生まれ変わるための結婚なの。

　お互いにメリットがあって、目的があるんだから
　別に利用してるとかされてるとか、ないんじゃない』



TH「そう‥なのかな。でも俺が提案したからさ」




『私は、自分の意志で決めたんだし。

　責任は二人にあるんだよ。
　テヒョンくん一人だと思わないで』

　


責任 そうか 俺は責任を感じてたんだ。




『行く人に対して申し訳ない気持ちになるなら

　嘘ついてる私も同じ責任だよ』






ドキッとした。




昨日から胸を占めてた、アフリカ行きの人への申し訳無さ。





Aちゃん、わかってる。

俺が感じてる責任と罪悪感。

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