偽婚しましょう【TH】

関係 ページ13

彼 グクとは 働き出してすぐ知り合った。



友達の友達。


みんなで何度か会って遊ぶうちに仲良くなった。







派手でいかにもモテそうな人。



実際女の人の影は常にあった。




でも、たまに見せるクシャって笑った顔が

あまりに素直に見えて




この人悪い人じゃないんじゃないなんて





はじめからなぜか気になってしまって


気づけば目で追うようになって。







好きなんだと自覚したのは数ヶ月たってから。




その頃には二人で会うようになってた。









曖昧な関係








なんの言葉もないまま


私は彼に抱かれた。






行為が終わっても 何も言われなかった。






一晩の遊びかな。








面倒くさい女になりたくなかった。









JK「また 会える？」






『え‥あ うん』






返事したものの、それがどういう意味なのか聞けなかった。





JK「また来るわ」











それから 彼はたまに私の家へ来るようになった。




何をするわけでもなくて ただ行為をして

体の欲を満たして




朝になったら帰っていく。









私だけじゃない。



それはわかってた。







彼のスマホにはよく電話がかかってきて

明らかに女の子と話してた。




街中で偶然出会ったこともある。




腕を組む可愛い子と

楽しそうに歩く彼








全てを察したような顔をして 軽く会釈をして去った。


物分りのいい女を演じた。














その夜 彼はまた家へ来た






『昼間の子 一緒じゃないの』



JK「あー また明日も会うから」






胸にナイフがグサグサに刺さってても

何でもないフリをした。







私は 都合のいい女





わかってる。






それでも、 彼にとっての一番都合のいい女でいたかった。






会いに来たら無条件で受け入れて

求められるだけ 体を差し出して





何も求めない。



何も聞かない。






私って最高の女でしょ。




それなら 彼は離れていかないと思うから。






こんな関係を 何年続けてるんだろう。






もう胸の痛みすら 感覚がなくなった。




どうするべきか


何が正しいのか




そんなことどうでもいい。

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