苦手だって【HS】

勘違い ページ34

HS「悲しむ人って？」





『‥すみません』





HS「俺がAさんに優しくすると、
　 誰か悲しむの？どういう意味？」




『‥だって』





HS「ごめん、なんか元気なかったよね。
　 何か気になってる事あった？話してよ」




そんなに優しく言わないでほしい。




こんなこと気にしてる私が面倒くさいだけなのに。



この人なら話してもいいのかなって気持ちになる。







『恋人、いるんですよね。
　今日のプレゼントとか、その方に渡すんですよね。』





HS「ん？？」





目が大きくなって、すごく驚いてる。

なんで？違うの？






HS「違う違う。今日のプレゼントは、職場の子。
　ただの部下というか同僚。」




『え‥そうなんですか？
　だって、え？てっきり』




HS「なんで恋人になった？」



『だって、可愛らしくてって。
　毎朝掃除してくれて』




HS「うん、うちの工務店の掃除」



『え』




HS「もしかして家だと思ったの？」




『はい。あ コーヒーってのももしかして‥』




HS「職場で毎朝淹れてくれるの。それにお菓子も作って
　 みんなに差し入れしてくれるし。」




『ペアカップ、二人で使うって‥‥』





HS「最近引っ越したんだよその子。
　 今いい感じの人がいて、きっと二人付き合うからさ」






『‥そう だったんだ』






何でも、宅配便のお兄さんを想ってるらしくて、

その話を教えてくれた。







『え‥すみません勘違いしてました』





HS「俺は恋人なんてもうしばらくいないよ」





『‥思い込んでました。恥ずかしい‥』




HS「だから、Aさんに優しくしてもいいよね」





『‥‥ハハ』





HS「優しくしたら、迷惑？」





そんな見つめないで。




『迷惑なんて‥‥私のほうが迷惑かけまくりです』






HS「俺はいいの。酔ったAさん見てて楽しいから。」





『‥かなりみっともないとこ見られてますよね』




HS「それは全然いい。でもちょっといやなこともあるな。」




なんだろう。



酔って絡んで、かなり迷惑かけてるし。

なんか失礼なことしてるのかな。





HS「誰にでもキスするのは、嫌。
　 全く覚えてないのも、、、ちょっと悔しい。」

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