苦手だって【HS】

油断 ページ14

『うーん』





ソファにもたれかかり、うなだれてる彼女。




ようやく少し落ち着いたのかな。

ていうか静かになった。




寝た？







どうしようかな。





お店とはいえ女の子をこんなとこに置いて帰るわけにもいかないし。





なんて考えてたのが、完全な油断だったんだ。








急に俺の方にもたれかかったかと思ったら










奪われてしまった。











『んフ』







ヤラれた。


てか柔らか。





目はほぼ閉じてるけど、嬉しそうに笑ってるよ。


ふらっとそのまま俺の胸に倒れ込んできたのを

咄嗟に受け止めたけど。






キスしといて、無防備に眠るなんて。


一体どういうつもりなんだか。

　



目を閉じてる顔はすごく幼い。







HS「もう‥勘弁して」




すやすや気持ちよさそうに寝てるし。


なんなんだよこのギャップは







しばらくこのままでいようかな。







俺は、密かにいいなと思ってるっていうのに。


これもまた覚えてないとかキツイよ。






しばらくソファで抱きしめてたけど、
ここで寝るわけにもいかないので抱き上げた。




寝てる人間って重いけど、彼女は小柄でなんとか抱き上げられたので、厨房の奥の部屋に連れてった。




ここなら畳だし、とりあえず横になれるかな。



そっと彼女をおろして、近くの毛布を掛けて、
どうしたもんかと考えた。



このまま朝まで寝るかな。


起こして家まで送る？


いやそれは難しいな。




俺の家に連れて行く？


それはそれでいろいろまずいか。





置いて帰ったら‥無用心か。



もういいか。このまま寝よう。



俺も疲れてたし、けっこう飲んだし。






HS「おやすみ」




気持ちよさそうに寝てる彼女を見てたら、隣りにいるだけで幸せな気分になってしまったんだ。



明日のことは明日考えよう。

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