はい お嬢様【JN】

執事の気持ち ページ9

JNside----





『大好きだよ』



って。



爆弾を投下していった、うちのお嬢様。



肩にもたれかかって、幸せそうな顔で眠ってしまった、






どうして俺なんかのことをそこまで慕ってくれるのか。




ため息が出るよ。











小さな頃から仲良しで、家族ぐるみでよくしてもらった。




俺のことを兄のように慕い、甘えていた彼女。






お金持ちのお嬢様なのに、結構気が強くて、正義感の塊。



天真爛漫で、負けず嫌い。



よく泣くし、よく怒る。




感情表現がとても素直にできる彼女は、とても魅力的な子だった。


妹のように可愛がっていた。














中学生になった頃、父に呼ばれて言われた。



家を建てるから屋敷を出ると。








正直寂しいと感じた。




でも父に釘を差された。





彼女はお嬢様なのだ、と。




年頃になってきて、距離を間違えるな、ということだ。










それからは、お嬢様に会うことはほとんどなかった。









住む世界が違うのだと、自分の身の程を知る時間だった。










両親が突然亡くなり、孤独になった俺を、
旦那さまと奥様は、家族のように気にかけてくれて、



またこの家に関わることになって。








『ソクジンはわたしの大切な人。だから、ここにいて』









あの時、お嬢様がかけてくれた言葉を俺は忘れないと思う。





この家のために、自分の人生を捧げようと思った。




この子を守っていくことが、自分の使命だと、そう思った。





そう思うことで、自分の生きる意味を見出してきた。







そして、今も変わらず彼女を支えることだけを考えてる。









お嬢様








決して、その域を超えてはいけない。






お嬢様は、いつも真っ直ぐに向き合ってくる。





でも俺なんかに甘えてくるのは、他に男を知らないから。








彼女には、幸せになってもらわなくては。






その相手は、俺じゃない。







ちゃんとわきまえてるよ。

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