陽だまりの先生【NJ】

帰り道 ページ41

NJ「今日は楽しかったよ。ありがとう」


『いえ、わたしこそ。ありがとうございました』



初冬の寒さが少し身に染みる時期。


日が暮れるのも早くて、すっかり夜になってしまった。





NJ「家まで送るよ。暗いし。」


『すみません、、、』



送るくらいは、おかしくないよな。


暗いし寒いし。


一人で帰す方が非常識だろう。




もちろん、家の前で紳士的に帰ってくるつもりだ。






街は一足早いクリスマスモードで、
キレイにライトアップされている通りもある。



そこを並んで歩くと、人恋しさが倍増する。



この、寒い時期の人恋しさの要因は何なんだろう。
科学的根拠があるのだろうか。




隣を見ると、両手を擦り合わせながら歩いてるAさん



NJ「寒いの？大丈夫？」




『夜は冷えますね』




NJ「上着、今日のは大きすぎて無理か、、、」




『先生が寒くて風邪引いちゃいますよ』




NJ「俺はいいんだけどさ、女性は冷やすとよくないって」




『‥‥手、繋いでいいですか？』




ん？


そうか。


頭になかった。




NJ「ああ、気が利かなくてごめん」



彼女の手をとると、ぎゅっと握られた。








これも、寒いからか？






いや、違うだろう。





いくら鈍感な俺でも、違うと思う。



ただ寒いだけで、男女は手を繋がない。


そこには、触れてもいいという好意がどちらかにあるはず。





彼女が俺にどんな気持ちを抱いてるのか、そこまではわからないけれど、


簡単に男と手を繫ぐような、軽い子ではないことはわかる。


思わせぶりに、そんなことをするタイプでもない。





尊敬の念なのか、友愛なのか、恋愛なのか。



わからないけど、この前みたいに、抱き寄せてキスする流れ、みたいなのを俺が見逃してるとしたら？





彼女が何かを期待してるとしたら？





察することができないなら、聞くしかない。







NJ「あのさ、勘違いならごめん。
　 手を繫ぐというのは、特別だと思っていい？」



『‥‥』



え、間違えたのか？

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