陽だまりの先生【NJ】

嫉妬 ページ30

JN「なるほどね」



Aさんと彼は、食事を終えて出て行った。

俺のことは気付いていなかったし、話しかけなかった。




ジン先生は、何故かニヤついたような笑顔でこちらを見ていた。



NJ「何がなるほどですか」


JN「あの子が噂のAさんだったんだね。

　 めちゃくちゃ可愛いじゃん。お前、よく

　 顔は整ってるタイプの、とか言えたよね。」





NJ「知ってたんですねAさんのこと」


JN「顔と名前が繋がってなかったけどね。可愛い子だから目に入るよ。」



NJ「そういうものですか。
　 俺なんて全然学生の顔と名前がわかりません。」


JN「恋人なのかって気にしてたのは彼のことか。
　 あれは強力なライバルだね。」



NJ「恋人はいないって言ってたんですけど」



JN「聞いたの？」



NJ「はい。流れで、、、つい」



JN「いないって？じゃあ問題ないじゃん」



NJ「別にはじめから何も問題ではありません」







ジン先生は、珍しく眉間にシワを寄せて、首を傾げた。




JN「好きなんだよね、あの子のこと」


NJ「はい。生徒として。」


JN「いや、女性として」


NJ「それは、ないです。」







JN「お前は、、、やっぱり馬鹿なの？」


いつもの辛辣なやつがきた。



NJ「酷いですよいつも」


JN「天才だとは思うけど、この手のことになると
　 急にＩＱ50くらい？」


NJ「そんなに低くないですよ笑」




JN「お前のさっきの表情、自分で見てみたらよかったのに」


NJ「さっきの表情とは？」



JN「二人を見たときの顔だよ。
　茫然自失を絵に描いたようだったよ。」


NJ「そうですか？」



JN「ショックだっただろ。暗く落ち込んでたし。」



NJ「そうなんですかね。
　 俺の語彙力では、この気持ちは表現できませんね。」





JN「簡単だと思うけど。



　 嫉妬、でしょ。」




嫉妬？


嫉妬だと？




NJ「嫉妬、、、とは？」



JN「はいはい。嫉妬とは、他人が自分より優れている、恵まれていると思ったときに感じる、「そねみ」や「ねたみ」といったネガティブな感情のこと。」


子どもに言うみたいに、スマホで調べて教えてくれてる。


NJ「俺は別に妬みななんてもってませんよ」



JN「続きがある。
　 また、自分が好意を持っている相手の興味や関心、
　 愛情が自分以外の人や物に向いたときに起こるねたみの
　 感情も嫉妬です。だって。」




NJ「‥‥‥」




言葉を失ってしまった。

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