陽だまりの先生【NJ】

俺の話 ページ16

ここだけの話。






俺には、女心というものがわからないらしい。


そもそも、女心とは何なのか。


俺にはそこから疑問だ。







昔から勉強が好きで、何でも考え込む癖があった。


考えて、答えを導き出すことが好きだったので、


数学はピッタリはまった。






いろんな角度から考えて考えて、答えに辿り着く感じは、

快感だった。







でも、世の中にはそれでは解決できないこともあるらしい。


大人になって、それが少しずつ理解できてきた。






それなり男としての欲もあるし、女性に興味はある。



俺なんかでも好きだと言ってくれた人もいて、お付き合いをしたこともある。




でも、俺はすぐに答えを出そうとしてしまうのだ。


気持ちをすぐになにかに当てはめて考えたり、方程式のように解答を求めようとしたり、、、



所謂、女心がわからない、ということらしい。





ジン先生曰く、

「本気で心から人を愛したら、何も考えられない」

らしい。

　

俺は、そこまで誰かを愛したことがないのかもしれない。







ここ数年は、研究ばかりして、女性とのお付き合いなんてまともになかった。






俺より５つも年下の学生。


女性の泣き顔なんて見てなかったから、焦ってしまった。





彼女はなぜ泣いたのか。


答えが知りたくて、考えて考えて、

頭の中でいろんな可能性を考えては、また否定して。



悪い癖だとはわかってるんだけれど、

分析してるのかもしれない。






でも、それよりも何よりも、

あの子の泣き顔が頭から離れない。





あんなにきちんと勉強していて、

俺の講義ですらちゃんと聞いてるような、

真面目な子が

何を思って泣いたんだろう。






悲しかったのか、

悲しませてしまったのか。






俺が悲しませたとしたら、胸が痛い。

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