メッセージ ページ35
ピューッと冷たい風が吹いた。
NJ「本格的に冷えてきたね。戻ろうか。」
彼女の手は俺がずっと握っていたから温かくなったけど、
身体は、冷えてしまうかもしれない。
夕方になったので、帰ろうかと促した。
『…すみませんでした。くっついていて。カーディガンも』
NJ「着てていいよ。」
『また、洗ってお返しします。』
彼女はどこか元気がない。
離れた左側がさみしく感じるけど、もっとそばにいたい、
なんて、とても言えない。
『先生、今度お出かけしませんか』
NJ「お出かけとは、、?」
『大学お休みのときに、どこか連れてってください』
NJ「えーっとそれは、食事とか、映画とか、そういうことでいいのかな。」
『ハイ。先生の行きたいところへ連れてってほしいです』
NJ「行きたいところって言われると、、、」
『すみません迷惑ですか?』
今日のAさんは、どうしたんだろう。
元気がないし、でも俺に近づいてこようとしてる?よな。
何か悩みでもあるんだろうか。
また理由を考え出すとドツボにはまると思って、あまり深読みせず返事をした。
NJ「いや、そんなことはないよ。見たい映画があるんだ。
よかったら一緒に行く?」
『ハイ』
そんな明るい顔で返事をされると、眩しくて見てられない。
NJ「土曜日でもいいかな。」
『ハイ。連絡先お聞きしてもいいですか?』
NJ「ああ そうだね。」
初めて学生と個人的に連絡先を交換した。
もちろん大学だからダメなんて規則はないんだけど。
少しは罪悪感を感じるのは、俺は教授で彼女は学生という立場だからだろう。
NJ「ではまた。連絡するよ。」
『ハイ。私からもメールしてもいいですか?』
NJ「ああ。あまり若い子みたいに慣れてないけど」
『フフ 先生も若いじゃないですか』
NJ「いや、学生に比べたら、それに流行とかそういうのにめっぽう疎くて。」
『絵文字とか使わなそうですね。私から送ります』
元気がなかったように見えたけど、表情はよくなったようだ。
研究室へ戻って、仕事の続きをした。
そろそろ帰ろうかと思った頃、スマホにメッセージ。
『ありがとうございました。お出かけ楽しみにしてます』
そのあと、何かハートが動いてるやつが送られてきた。
おお
俺のスマホに見たことのない世界が広がった。
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ごまきち(プロフ) - haru418さん» ありがとうございます!大好きなナムの魅力を感じていただけたら本望です! (2022年11月27日 4時) (レス) @page44 id: 0dbf849285 (このIDを非表示/違反報告)
haru418(プロフ) - このお話しのナムさん、最高にキュートです。更新楽しみにしています! (2022年11月26日 22時) (レス) @page41 id: 51924f2e98 (このIDを非表示/違反報告)
ごまきち(プロフ) - tyaiさん» ありがとうございます☺ナムの魅力が届きますように‥! (2022年11月26日 15時) (レス) @page19 id: 0dbf849285 (このIDを非表示/違反報告)
tyai - すごく面白いです。どうしたらそんな素敵なお話が書けるのですか?大好きです!頑張ってください。 (2022年11月26日 8時) (レス) @page31 id: 4eebb26101 (このIDを非表示/違反報告)
ごまきち(プロフ) - lalacampanella3さん» ありがとうございます☺一つの話の最中はその人に恋してしまうので、完結したい派でして。励みになるお言葉です☆ (2022年11月26日 6時) (レス) @page31 id: 0dbf849285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ごまきち | 作成日時:2022年11月23日 10時